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共犯ゲームU
【SF 官能小説】

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おまじない-1

僕の名前はタカシ。僕はこのクラスで怖いものが2つある。
 1つ目はいつも教室の片隅で猥談をしている3人組の男たちだ。
キヨシ、イッチ、トクの3人だ。
この3人は必ず僕を巻き込もうとする。
『もうあそこに毛が生えたか』とか『1日1回ちゃんと出してるか』とかシモネタの話題を振ってくる。
他の女子とかも聞いているのに、そういうことを平気で言って来て、僕がどぎまぎするのを面白がってげらげら笑う。
あの笑い方も嫌いだし、仲間でも何でもないのに自分達と一緒にするやり方が嫌だ。
でも、3人とも喧嘩が強いし、逆らえない。
 2つ目は、1人の女子だ。アイと言う子だ。
ショートで男の子みたいなヘアで、顔立ちはきついけど美少女だ。
その子は小柄な僕よりも背が高くて、均整がとれた体をしている。
噂だがレスリングを習っていて、男よりも強いという。
他の女子と同じセーラー服を着ているのに、セーラー服までかっこいい。
だからつい見とれてしまう。
するとその子は僕の視線に気づくと腕を組んで横目で睨む。
『見てんじゃねえ』とでもいうように口を動かすと、『ふん』と顎を上げてそっぽを向く。
だから見ないようにしてるけれど、時々僕の視野に入るところに現れるので、僕は目を逸らす積もりで視線を落とすと彼女のよく発達したふくらはぎの筋肉が目に入ってしまって、慌ててまた目を逸らすのだ。
すると向こうが僕の視野に入るように横目で睨んで来る。
『何見てんだよ』というような口の形をしてみせる。
あの声に出さない脅しの言葉がたまらなく怖い。
 僕は運動も駄目だし、体格もひ弱だし、たとえ相手が女の子でも劣等感を感じる。それでも、無視されることには馴れているので、構わないでいてくれれば僕は平和な1日を過ごせる。でも、3人組とアイという子は僕のことを放っておいてくれない。絶えず僕が忘れようとしている劣等感を思い出させるように構ってくるのだ。アイは最初はそうじゃなかったけれど、最近は僕が脅されてびびる様子を密かに楽しんでいるような気がする。だから、僕の視野に入って来る回数が増えているような感じだ。気のせいではないと思う。
 僕はカオル兄さんがバイトしているコンビニに寄った。兄さんは最近僕に優しくなった。コンビニの他に大会社のモニターのバイトもしていて、正社員にもなれそうだと言ってた。人間というものは自分が幸せに一歩近づくと周りにも優しくなるのだなと思う。
「どうだ、学校は。虐められてはいないか。好きな女の子はできたか?」
カオル兄さんはポケットから小瓶を出すと僕に香水のようなものを吹きかけた。
「女の子に嫌われないためのおまじないだ。少し町を歩いて来い。兄さんはまだ仕事があるからな」


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