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リーマックス
【SF 官能小説】

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カレン-2

私は言葉で説明するととてもおぞましい生物だ。
人もどきとでも言おうか。人外生物なのだ。
太古の時代からいて、人間のふりをして生きてきた。
カレンが見たように私の股間には性器はない。
性器は頭部に畳まれてある。それも雌雄同体な為、両方の性器が入っている。
だが、この性器は生殖行為で使うことはない。
何故ならもう千年以上も同じ種に出会っていないからだ。
私の種は古代ローマ時代に人間たちにその存在を気づかれたことがあった。
当時彼らは私たちのことを『リーマックス』と呼んだ。ラテン語でナメクジという意味だ。
死骸の印象を見て、そう呼んだのだと思う。そして塩をまかれた。
キリスト教の時代には『悪魔』の一種と見られた。
処女と契約を結び、快楽を与え魂を抜いたと思われたからだ。
また、吸血鬼と思われたこともあった。
直射日光に弱いので夜行性だと言うこと、処女と契約すること。
特にある条件の下で治療をする時、吸血行為と間違えられることなどがその理由だ。


だが、一番私たちの種を理解していたと思われる古代ローマ人も大きな誤解をしていた。
彼らは私たちの種をパラサイトだと思っていたのだ。
つまり人類に寄生し害を及ぼす者と決め付けていたのだ。
もっと別の古い文化では私たちの種は神に祭り上げられていた。
そして処女の生贄を捧げられていた。
だが、本来の私たちの姿は人類とは共生関係にある生物なのだ。
そして今私が行っている儀式も共生の行為なのだ。
はっきり言おう。
ここまで読んで嫌悪感を持った読者がいたなら、どうか中断して頂きたい。
これから先の行為を人類に誤解されて、私たちの種は迫害され狩られていったのだから。今すぐやめて、私のことを忘れてほしい。



私は主脳のついた男性器を頭部から下腹部まで下げて行ったのだ。
そして、下腹部から細い管のようなものをカレンの膣内に挿入した。
カレンの体がピクンと動いたが私は手の副脳の判断で、彼女が動かないようにしっかりと抱きしめた。

『なんか変な感じだよ』

聴覚も一緒に付いて来たので、彼女の声は体内に響く音として籠もった感じに聞こえた。
だが、私は返事ができない。言語の脳も一緒に下腹部に下っているからだ。
私の探索用の管は子宮から二手に分かれ卵管を通って卵巣に到達した。
私は左右の卵巣の卵子を比べて、一番成長の良い卵子を1個だけ選んだ。
そして膣内に性器を少しずつ侵入させて中で膨らませると渦巻き振動を起こさせた。
これによって卵子を卵巣から遊離させ私の体内に吸収するのである。
古代中国の仙人は、この私の技を真似て若い婦女子と交わりながら金丹の房術を行った。つまり自らの男性器の気を渦巻き状に回転させて卵子の気を吸収するのである。
私との違いは気だけを取るのか、卵子ごと吸い取るのかの違いである。
金丹の術では若さを保つことができ、幽体離脱もできるようになるというが、結局それは相手の女性から一方的に大切な気を奪う術に過ぎない。
また、金丹の術を修めた仙人といえども極めて長寿ではあるが、何世紀にも渡って生きることはない。
私の場合はこの卵子を液状に分解し体内に入れて、新しい生命力を得る。
そのときに、古い生命力の総てを相手の女性の体内に送り込んで、体内の悪い部分を治癒するのである。
つまり私は体を生まれ変わらせることができ、古い体の総てを相手に与えて病気を治してあげるのである。
これが共生の実際である。
つまり私から見れば命の交換であり、相手から見れば卵子を1個失ってその代わりに健康な体を得るということなのだ。



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