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凶眼
【制服 官能小説】

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〜終章〜 月曜日 ラウム-1

 いつもと同じ通学路。学園に向かう他の生徒達に交じって登校し、僕はうんざりする様な一日の始まりを呪った。
 特に週の頭は最悪だ。朝から授業、終われば塾。明日も同じ、授業、塾。
 勉強、勉強、勉強、学生はもっと自由を楽しむべきじゃないのか?
 困ったことに、この殺伐とした日々に唯一潤いを与えてくれた趣味が、どういうわけだか面白いものではなくなった。あんなに愛してやまなかったアニメなのに、今では子供騙しにしか思えない。どうやら先週、初めてプリティエンジェルを見逃してから、僕の心境に大きな変化が生まれたようだ。
 もう一つ困ったことに、先週2度も塾をサボったようで、親からこっぴどく怒られた。確かに塾にはストレスを感じているが、出席だけはしていたんだがな?ストレスに耐えかねて無意識のうちにサボったのだろうか。あまりに変わり映えしない日々なので、このところの記憶が曖昧だ。おまけにひどい倦怠感を感じる。
 「わっ!」
 ボーっと考え事をしていたので、前を歩く女生徒にぶつかったようだ。謝ろうとした矢先、振り向いた顔を見て僕は青ざめた。
 げっ、天敵リーエンだ!
 怒った顔が僕を睨む。が‥
 「もぉっ、気をつけなさいよ!」
 それだけ言うと、彼女はプイッと振りかえり、前を行く友達と合流する。
 いつもなら烈火のごとく噛みついてくるのに、いささか拍子抜けな反応だ。確か香港へ親戚の葬式に出かけていたはずだが、そこで何かあったかな?
 不思議に思ったのは僕だけでなかったようで、彼女の友達が口々にまくし立てるのが聞こえてくる。
 「どうしちゃったのよ、レアン、オタク嫌いじゃなかったの」
 「そうよ、いつもなら必殺の平手打ちで張り飛ばしてるじゃない」
 「あのね〜、あんたたち私をなんだと思ってるのよ。第一あいつオタクじゃないでしょ」
 きょとんと顔を見合わせる友達を尻目に、リーエンはすたすた歩み去ってしまう。
 いつの間に、僕がオタクじゃないとわかってくれたのだろう。まぁ、彼女の同情すべき過去を考えれば、オタク嫌いは仕方ないが、とにかく矛先がこっちに向かなくて幸いだ。
 何やら引っ掛かるものを感じたが、トラブルを回避できたのは喜ばしい。学園の校門が見えてくる頃には、その違和感も消え去った。
 校門をくぐると、男子生徒の視線が体育館前に集中しているのに気付く。何事かと眼をやると、そこには朝練を終えたチアリーダーの一団がたむろしていた。
 朝から思わぬ眼福である。バスケの大会が近いので、チアリーダー達はユニフォーム姿で練習をしていたようだ。剥き出しの太ももやまろやかな肩に、男達の視線が集中する。


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