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どうして....好きになってはいけないの?
【純愛 恋愛小説】

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優羽の気持ち...舞姫の思い...-5

まだ幼い頃に交わした結婚の約束....結婚の意味もわからないで交わした約束....姉弟では結婚出来ないとわかってからも優羽の事を好きなままだった....その事をまだ知らない優羽が無邪気に....大きくなったら僕のお嫁さんになって!!....そう言ってくれるのが嬉しかった....やがて優羽もその事に気づき口にしなくなった....舞姫は淋しさを感じながらも優羽の成長が嬉しかった....舞姫は優羽以外の人に興味はなかったが....優羽に彼女が出来れば....もしかしたらこの永遠の片思いから抜け出せるかもしれない....そう思う事もあった....しかし優羽に好きな人がいる事がわかると嫉妬心しか湧かなかった....こんなにも優羽の事を愛していたんだ....舞姫は改めて気づかされた....その事を隠すように優羽の悩みを少しでも軽くするために言葉をかけた....しかしそれは逆効果になってしまった....湧き出てくる嫉妬心を抑える事が出来なかった....そんな事を考え
ていると涙が溢れ出てきた....


そんな時舞姫の部屋のドアをノックする音が聞こえた....それが優羽である事はすぐにわかった....今声を出せば泣いている事がわかってしまう....舞姫は寝たフリをする事にした....静かに語られた優羽の告白....まさか....舞姫は信じられなかった....気づくと舞姫はドアの前に立っていた....
(舞姫...あなたは何をしようとしているの?)
もう一人の舞姫が話しかけてきた....しかし....舞姫は自分の理性で自分を抑える事が出来なかった....舞姫はドアノブに手をかけた....
(舞姫!!あなた何をしようとしているかわかっているの?今ならまだ間に合うよ!)
再び舞姫の理性が話しかけた....それも無駄だった....今まで抑えていた思いが溢れ出てくる....優羽も自分の事を....そう思うと自分を律する事は出来なかった....舞姫がドアノブを回そうとした瞬間....聞こえた優羽の言葉....
「姉さん.....どうして....姉さんの事....好きになってはいけないの....教えて....姉さん....」
舞姫はギリギリの所で踏みとどまった....
舞姫は弟を愛してしまった事をずっと考えてきた....人の道に外れたこの思いへの自分なりの答えを見つけた....しかし優羽はまだ見つけられていない....このまま優羽の気持ちに応えたら....優羽は後悔の念に苛まれるかもしれない....それが舞姫を踏みとどまらせた理由だった....
舞姫はすぐに携帯を手に取り優羽にメールを送った....それから....優羽の「どうして....好きになってはいけないの?」に対する答え....舞姫自身の考えをしたためた....それを優羽の目の前で送った....優羽が舞姫の願い通りにしてくれるのかはわからないが....優羽なら守ってくれる....そんな気がしていた....
「優羽........」
舞姫は溢れ出てくる涙をこらえる事が出来なかった......


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