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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-1


4つの季節がそれぞれ役目を終え・・

再び季節が巡ってきた。

瑞稀にとって、10回目の春―・・。


4月10日。 小学校始業・入学式。

そして、小学校で迎える最後の春。


「いってきまーす」

ドアを開け、ランドセルを背負った瑞稀は家の中にいる祖父母に手を降った。

巡った季節のおかげで、少し大人びた感じだ。
もちろん、そのために色々な事があった。


エレベーターを待っている中、ふと思い立ち、一応服の中に隠しているネックレスを取り出した。
真ん中が膨らんだ楕円形の、少し色あせてしまった銀色のペンダント。
その楕円形の縁に指をかけると、いとも簡単に二つに割れた。

ラウンド型ロケットペンダント。
この内側に、写真やシールを入れることができる。

これは、瑞稀の大切な宝物。
去年の夏。亡くなってしまった母親から譲り受けたモノ。
中には、幼い頃父親と母親と撮った家族写真が小さなサイズで収まっていた。

これを持っているだけで、凄いことができそうで笑顔になれる。
瑞稀は、優しい微笑みを零すと、たった今到着したエレベーターに乗った。



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