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不格好なチョコレート
【青春 恋愛小説】

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不格好なチョコレート-2

「麻衣は来栖君に渡さないの?」
「えっ?」
「来栖君の事好きなんでしょ?」
「どうして?」
「どうして?って.....来栖君と映画を見に行く約束をしたって、嬉しそうに電話して来たのはどこの誰だっけ?」
「....私です....」
「好きなんでしょ!来栖君が!!」
私は黙って頷いた。
「それじゃあ渡さないとね!チョコレート!」
「うん...でも....千春も知ってるでしょ....私がそういうの苦手だって....しかも来栖君に渡すのよ!変なの渡せないでしょ!」
「それじゃあ.....一緒に教えてもらおうよ!」
「誰に?」
「来栖君に!」
「えっ?だって私が渡したいのは....」
「いいんじゃない!料理が苦手な千春が頑張って作ってくれたって感動してくれるんじゃない?」
「そうかな?」
「そうよ...だからね!お願い!」
「わかった...頼んでみる....でも....私が来栖君の事好きだって内緒だからね!」
「うん!わかった!それじゃあお願いね!」
千春とその場のノリで約束してしまったけど、不器用な私に本当に出来るのかだんだん不安になっていった....



来栖君に頼んでみると気軽に了承してくれた。千春と二人で教えてもらったのだが、千春は簡単に出来たのに比べて、不器用な私は形が不格好な物にしかならなかった....落ち込んでいる私に
「大丈夫!もう少し日にちがあるから、また教えてあげるよ!」
来栖君はそう言ってくれたのだが、私は恥ずかしくてたまらなかった....
「どううまくいってる?」
バレンタインデーまで一週間をきったある日麻衣が聞いてきた....
「全然ダメ.....自分の不器用さに呆れるよ....」
「そのわりにあまり落ち込んでないみたいだけど....何かいい事あったの?」
「えっ?わかる?」
「えっ?何?何?教えて!」
「あのね...来栖君がね....私と二人きりの時に....私の事....麻衣ちゃんって呼んでくれるようになったの!!」
私はよほど嬉しそうな顔をしていたのか
「良かったじゃないの!!もしかしたら来栖君も麻衣の事....」
「そうかな?」
「でも....ライバル多そうね....」
千春の視線の先を見ると来栖君が女子と話していた....
「ちょっと千春!気にしてるんだから、やる気をなくすような事言わないでくれる!」
「大丈夫だって!麻衣みたいに可愛い子から告られて断る男っていないって!」
「千春に言われてもなぁ....」
「大丈夫!自信を持って!麻衣!」
「う..うん....」
私は頷くしかなかった....



「来栖君...あのね....お願いがあるんだけど....」
凪沙さんを送って行く途中で話しかけられた。
「何?」
「千春がね....彼氏に手作りチョコを送りたいから....作り方を教えて欲しいって....」
「いいよ別に」
「私も一緒にいい?」
「もちろんいいに決まってるだろ!凪沙さんも渡したい人いるの?」
「うん...まだ片思いだけどね!」
「そっかぁ...うまくいくといいね!」
僕はそんな会話を凪沙さんとしている途中胸が痛んだ....まだ天城さんの事....その時はそう思っていた....


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