屈辱の苦情処理-6
「……俺さ……このサイトの管理人なんだけど……写真、よかったら削除してあげてもいいよ……」
「……さ…削除……出来るんですか……」
男の口から出た甘い言葉に、あいりは無防備に縋り付く。
男は改めてブラウスの下に手をいれ、あいりの胸をさっきよりも大胆に揉み始めた。
「……ん……んんっ……」
あいりは反射的に顎を上げたが、もう抵抗する様子はない。
写真のことが気になってそれどころではないという様子だ。
それをいいことに男はもう一方の手であいりのスカートを腰のあたりまでまくりあげ、パンストの上から股間を撫で回した。
「……あっ…んっ……」
一気に弱い立場に追い込まれたあいりは、まともな抵抗の言葉さえ口に出せなくなっていた。
「……エッチさせてよ……一回だけでいいからさ……」
悪魔のような取引の誘いに、あいりは言葉を失って逡巡している。
しかし「一回だけでいい」という条件を出せば必ずこの女は取引に応じるだろうという自信がこの男にはあった。
もともと同じ相手に何度も脅迫を繰り返すような危険な真似は最初からする気はない。
これまでこの手のサイトをいくつも開設してきて、何度かこういう「おいしいネタ」にありついてきた。
今回の女は一度きりにするには惜しいほどの上玉だが、そのぶん時間をかけてたっぷり楽しんでやればいい。
「……どうする?俺はどっちでもいいけど……」
男はカゴの中の鳥をいたぶるように、あいりの反応を楽しんでいる。
「言うこときくなら…すげえ気持ちよくしてやるよ…」
すでに胸と股間をいいようにまさぐられながら抵抗一つしていない時点で、あいりの答えは決まっているといってもよかった。
肉体はもう完全に男への抵抗を諦めたばかりか、そのじわじわ繰り返される愛撫に、はしたない反応を示し始めていた。
パンストの上から揉まれるだけで、股間からはニチャニチャと淫靡な音が発せられている。
「あれぇ?……何かいやらしい音がするけど……まさか濡れてきたの?」
あいりの身体の変化にとっくに気付いていながら、男はあいりの羞恥心をあおりたてるためにわざと大袈裟に驚いた声をあげる。
「……ち…違います……んああっ……」
乳房と下半身をまさぐられ続け、あいりの身体はだんだん暴走し始めていた。
更なる強い快楽を欲して、肉体が甘く疼き出している。
「……ふうん……じゃあ取引は不成立だな……」
不意に男に愛撫の手を止められ、乳房と秘部に急激な空虚感が襲い掛かる。
身体の中の全細胞が快楽を欲して目の前の男に両手を差し出しているような気がした。
「……じゃあ、不良品の件はおたくの本社にでも電話するよ。売り場担当者の対応がひどいってね」
「……あぁっ…お…お待ちください……」
身体を起こしてパソコンを閉じようとする男にあいりは思わず縋りついていた。
男はニヤリと笑みを浮かべてあいりをあらためてベッドに押し倒すと、一気にスカートを捲りあげてパンストに手をかけた。
もうあいりはもう抵抗しなかった。
「……は…早く…終わらせて……下さい……」
耳たぶまで真っ赤にして屈辱の言葉を口にしたあいりは、羞恥のあまり身体が小さく震えていた。
『あの投稿写真から抱いていたイメージとはずいぶん違うな――』
あいりの意外なほど清純で清潔なイメージに、男は驚きと同時に新たな興奮を覚えていた。
すましたツラで一流デパートの制服を身に纏っていても、一皮むけばただのメス……自ら解説した投稿サイトで、男は今までそんな女ばかり見てきた。
だが、今自分の下で目にいっぱい涙をためて震えているこの女からは、そんな安っぽい雰囲気は微塵も感じられない。
下半身を露出し、大きくはだけたブラウスの胸元から白い乳房を揉みくちゃにされていても尚、あいりには凜とした気品があった。