〈美味なる者〉-11
「むぶッ!!ふ…ふ…んぶぅ!!!」
オヤジ達の足元で、紗季は藻掻いた……どうにか腕を引き抜き、それが出来ぬなら床を蹴って、ドアを開けて階段を転げ落ちてでも………笑い声が降り注ぎ、黒い髪が優しく撫でられた……今の紗季には、何一つ成しえるものは無かった。
『な〜に?お外で遊びたいの?』
『駄目ですよ〜。紗季ちゃんはコッチですよ〜』
「ふごッ!?ふがあぁぁ!!!」
オヤジ達が縄を掴むと、紗季の身体は軽々と持ち上がった。
いくら頭を振り乱しても、膝先の脚をバタバタさせても、オヤジ達が手を離すはずもなく、そのままポイと紗季はベッドに放り投げられた。
仰向けのままベッドに落ちた紗季。だが、ふかふかな布団のおかげで衝撃はさほどではなかった。
しかし、まるで物同然の、その粗雑な“扱い”に、紗季の表情は恐怖に強張り、そんな慄く(おののく)紗季の周りは、オヤジ達で埋め尽くされた。
『へへへ、パパもママも日曜日まで帰って来ないんだよね?』
「!!!!」
紗季は愕然とした……このオヤジ達が、自分の生活を調べていた……両親の事まで調べ、紗季が一人になる週末の事まで知っている……今の今まで、紗季は全く気付けなかった……。
『へへ……紗季ちゃんの携帯見っけ。どんなお友達がいるかなあ?』
ベッドに放られた拍子に、紗季の制服から携帯電話が床へ落ちた。
アイドルの携帯電話、そこには他の美少女達のメールアドレスや写メがあってもおかしくはない。
オヤジ達には貴重なデータボックスだ。
『可愛い娘がいっぱいですよ!見て下さいよ、コレ』
『この娘も美味そうですな。食べ応えがありそう……ムフフ』
「ん"〜〜〜ッ!!」
紗季の携帯電話を回し見て、そこに映る美少女達を眺めている。
半開きのイヤラしい目が、紗季の友人や他のメンバーを視姦し、“ふしだら”な発言を繰り返す。
そして、その言葉が決して妄言でない事は、今の事態を考えれば分かる……紗季に戦慄が走った。
『今日は白か……おじさんの好みの色だなぁ』
「む"〜〜〜ッ!!!んぐぅぅ!!」
『パパ、ママ、早く帰って来てぇ。紗季が恥ずかしいコトされちゃう。なんてな、フヒヒヒ!』
オヤジ達の興味は、目の前に転がっている紗季へと向けられた。
スカートは既に下半身を隠す事を放棄し、赤い花びらのように紗季の股間を彩っている。
思春期真っ盛り、生育の進む身体は瑞瑞しく、女性特有の丸みを帯びた下半身は食欲をそそらせる。
赤いステッチの入った白いパンティーは、尻の二つの山並みをしっかりと抱え、もう一つの幼い性器の小山まで優しく包んでいた。
新緑の中に咲き誇る花のような、赤と緑のチェック柄のスカート、その中心で存在感を示す美少女の秘肉の塊は、まさに最上級の《果実》だ。