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イート・ミー!
【コメディ 官能小説】

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イート・ミー!-6

「――どう、したんですか?」
「いや……あの、そんな顔で見られると」
顔を逸らす俺に、彼女がくすりと笑う。
「見られると……?」
「お、おい」
「見られると、どうなっちゃうんです?」
駅のホームだってのに、その華奢な身体を俺に押しつけてくる。
俺に抱きついて、彼女は熱い吐息と共に言った。
「さっきの痴漢のせいで……身体が疼いちゃったんです」
俺を見上げるデカい瞳が誘うように揺れる。
「静めて、くれますか?」
そんなことを言われたら、断れるわけもなく。
俺達は駅のホームに設置された男子便所の個室に身体を押し込んだ。
性急に口づけ、互いに唇を貪り合う。
「あっ、んんっ……んむ……ちゅ」
純情そうな顔をしているくせに、いやらしく動く舌に翻弄されそうになる。
ブラに詰まった見た目よりもデカい胸。柔らかいそれを揉みながら、俺はスカートの中に手を入れた。
「あ……そこぉ……っ」
ショーツをずらし、薄く柔らかな茂みの奥に指を這わせる。
くちゅ。濡れた感触。
「やぁんっ……音……」
煽られて俺はわざと音を立てる。くちゅくちゅと濡れた音と、互いの押し殺すような荒い息遣いが個室に響く。
「あぁっ、やあっ……は、んっ……だめぇ……っ」
彼女腰が前後に動き、俺の指を容易く飲み込む。二本の指で彼女の中を掻き回す。
「あっ、あっ……だめ、焦らさないで……っ」
俺の肩にも満たない彼女の頭がふるふると横に振られる。その耳朶に噛みつき、低い声で言ってやった。
「本当に、いいのか」
涙の溜まった瞳を俺に向け、彼女はこくんと頷いた。
俺はベルトを緩めて下着を下ろし、息も荒く濡れたそこに自分のものを宛がっ――……



「――……いてます? あの、聞いてますか?」
「は」
我に返れば、乱れなく制服を着た彼女の姿。
「あの、本当にありがとうございました。助かりました」
「は、あ」
失礼します、とちょこんと頭を下げてから彼女は踵を返して慌てたように走っていく。
その背を見つめながら再度我に返る。
何て生々しい、リアルな妄想。いかん、今ので息子が反応してしまった。
俺は大きく溜息をついて、妄想ながらに絡みつく彼女の感触を掻き消そうとする。
そして何気なく腕時計を見やり、さっと青ざめた。
っ、遅刻だ……!



「ま、間に合った」
本当にギリギリで教室に滑り込んだ俺は、席に着いて大きく息を吐いた。雨に濡れた裾を捲くる俺に、目を瞬かせてからにやにやと笑う夕張。
「遅刻なんて珍しいじゃん」
「間に合っただろ」
「ま、確かに先生来てないけど」
程なくして、学年主任が教室に入ってきた。
ざわつく教室。銀フレームの眼鏡をくいと押し上げ、学年主任が言う。
「えー、静かに。担任の豊野先生が昨日から風邪でお休みしていることは知っていると思うが、副担の高砂先生も体調不良で遅れている」
一瞬静かになった教室が再びざわめいた。
「一限は高砂先生の英語だったな。そう遅くはならないそうだから、20分程度自習の時間とする。高砂先生がやってきたら指示に従うように。以上」
それだけ言って学年主任は教室を出て行った。扉が閉まったのを確認し、教室が一層騒がしくなる。
自習か、もう少し遅刻できたか……。


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