EP.3「ついてるよ、ここ」-8
姉ちゃんでこんな事をしていいのか、と自分に問い掛ける。
確かにもう一度やってしまっているが、続けてやっても許されるのか?
よく考えろ、なんであんながさつな姉ちゃんなんかで興奮してるんだ、俺は。
何とか止めなくてはと葛藤しても、燃え上がった欲望は簡単に消せるはずが無い。
それは、何より自分がよく分かっていた。
姉ちゃんに罪悪感を感じながらも、やはり欲望には勝てず、本能のままに一物を扱き始める−
俺は、ドアに背中を預けて目を閉じた。
(あー・・・また信之介がやらしい事してるー)
前には下着姿の姉ちゃんがいて、以前と同じ様にまた女の子座りしている。
現実の姉ちゃんは間違ってもこんな座り方しないだろうな、と前も思ったかな。
俺は見られながらも手を止めずに、寧ろもっと見ててほしくてオナニーを続けた。
笑ってくれ、姉ちゃん。弟はこういう奴だぜ、最低だろ?
(なに、見てるだけでもう限界まで勃起しちゃってんの)
俺が恐る恐る頷くと、姉ちゃんは目を細めて鼻で笑った。
(本当にバカね、あんた。そしてスケベで最低だよ。血の繋がったお姉ちゃんに見られて、興奮しちゃってるんだ、この変態)
まるで本当にそこにいるかの様に、頭の中に鮮明に姉ちゃんの声が届いてくる。
違う、俺は本当はこんな事なんてしたくないんだ。何が悲しくて、姉ちゃんなんかでオナニーしなきゃならない?
自分でも全然分かんないだよ、ただ、しなきゃおかしくなってしまいそうなんだ。
(・・・・・・・・・)
姉ちゃんはその場で俺を嘲笑う様な顔をしながら見ている。
だが、それだけで何もしようとはしなかった。自分からは一切動こうとしない。
もし、姉ちゃんとエッチしたら、本当にこうやって俺を見てにやにやしてそうだな。
最初のうちは興奮ですぐに発射してしまいそうだったが、何故かいくら扱いてもなかなかそうならなかった。
(どうした?ほら、出せよ。見ててやるから)
想像ですら俺は姉ちゃんに何もさせられないのか。
この間は着ていた制服を脱がせるくらいはできたのに、どうしてだろう。
いや、や・・・やっぱり駄目だろう。姉ちゃんをおかずに、こんな真似をしでかすなんて。
今すぐ止めなくちゃ。このパンツ、早く洗濯篭に返さないと、母ちゃんが気付いちゃうぞ。
そろそろ飯も終わってるだろうし、父ちゃんが風呂に入っちまう。
だから・・・・・
(やめんの。ここで)
その時、姉ちゃんが呼び止めてきた。
座り方は変わってないが真剣な表情で俺を見上げている。
そうだよ、止めなくちゃ駄目だろう。
だって俺、このまま繰り返したら絶対後悔しそうだから。