投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

それは投稿小説を読んだ事から始まった。
【青春 恋愛小説】

それは投稿小説を読んだ事から始まった。の最初へ それは投稿小説を読んだ事から始まった。 8 それは投稿小説を読んだ事から始まった。 10 それは投稿小説を読んだ事から始まった。の最後へ

今までで最も長い二日間2-4

「ちゃんと感想を聞かせてね!クリスマスのディナー用のケーキにするつもりだから!」
「それって私達に毒味してって事ですか?」
「横山さん!人聞きの悪い事言わないでよね!試食と言って欲しいな!!」
「えっ?あっ!」
私は言い間違えた事に気付いて赤面してしまった。家に帰って箱を開けてみると、五種類のケーキが入っていた。そんな事が三年間続いた。私は誕生日だから私だけ特別に....今までそう思っていた....
バイトを始めて一年ぐらい過ぎた頃、新人の教育係を任されるようになった。そんなある日、入ったばかりの新人がお客様に何か言われているのを見かけた。私はすぐに駆け寄って行った。
「お客様どうかなさいましたか?」
私が声をかけると、
「この娘敬語の使い方がなっとらん!どういう教育をしているのだね!」
「申し訳ありませんでした。敬語の使い方を教えていなかった私の責任です。本当に申し訳ありませんでした。」
私は深々と頭を下げた。
「君の?」
「ハイ....私の責任です。申し訳ありません。」
私はその新人を厨房に返した後、長々とそのお客様の文句を聞かされた。厨房に戻った後事情を聞いたら、
「こちら食後のコーヒーになります。」
そう言うと、
「えっ?それじゃあ、いつコーヒーになるの?今はコーヒーでないなら、なんなの?」
いきなりそう言いだしたそうだ.....
「確かに日本語として適切じゃなかったわね。」
私がその娘に言うと、美香さんが、
「それぐらいであんなにネチネチと文句を言う事無いんじゃない?」
そう文句を言い出した。
「由貴ちゃんも災難だったわね!」
私に同情するように言った。
「別に....そんな事....」
私が戸惑っていると、
「横山さんどうもすみませんでした。」
その娘は私に頭を下げた。私はその娘の肩に手を置いて、
「別に私の事は気にしなくてもいいからね!」
「えっ?」
その娘は顔を上げて私を見た。
「次から気をつければいい事だからね!」
「ハイ....すみません.....」
「私のほうこそゴメンね!初めから言っておけば良かったね!」
「いえ....そんな....」
「本当に気にしなくてもいいからね!私だって初めての頃はよく失敗して迷惑をかけていたんだから、お互い様よ!」
そう言って笑った。
「なんか....裕兄みたいだね!」
美香さんが呟いた。
「えっ?」
私は美香さんを見た。
「裕兄もよく同じような事言っているから....」
私はなんか嬉しかった。
「それはそうですよ!鷹矢さんに教育されてきたんですから!」
そう言って笑った。そこに彼が来た。
「今日はゴメンね!嫌な思いをさせたね!」
彼は私に優しく声をかけてくれた。
「いいえ!別に....」
私は彼に笑顔を見せた。
「今日はありがとうね!横山さんに任せていて良かったよ!」
彼も笑顔を見せてくれた。私は彼に一人前になったと認めてもらえたようで嬉しかった。彼は私の事をちゃんと見ていてくれた....その事が嬉しかった....そう言えばあの時の客は課長に似ていたような気がする....私はあの手の顔と相性が悪いのかな.....
私の就職試験の時も本気で心配してくれて、決まった時は自分の事のように喜んでくれた。今思えばいつだって私の事を気にかけていてくれた。私はそんな彼に甘えていた....その時は一所懸命にやっているつもりだった。でも今思えば、バイトだからという甘えがあった....就職して働いてみて初めて気付いた....私はもっと....今さら後悔しても遅いけれども....私はそんな事考えながら眠りについた。



それは投稿小説を読んだ事から始まった。の最初へ それは投稿小説を読んだ事から始まった。 8 それは投稿小説を読んだ事から始まった。 10 それは投稿小説を読んだ事から始まった。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前