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それは投稿小説を読んだ事から始まった。
【青春 恋愛小説】

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今までで最も長い二日間2-3

「横山さん!そこの皿洗ってくれる?足りなくなると困るから!」
私の気持ちを察したのか、彼は仕事の指示をしてくれた。
「ハイッ!!」
私は自分に出来る仕事が見つかった事が嬉しかった。何か出来る事をしていないと、どんどん落ち込んでいってしまう。だからこそ嬉しかった。
仕事が一段落した後私は彼のほうへ近づいて行った。叱られる事は覚悟していた。
「今日はすみませんでした。」
私は頭を下げた。彼は私のを見て、
「そんなに気にしなくてもいいよ!」
「えっ?」
「えっと.....こう言うのは変だな....」
彼は笑顔を浮かべて、
「ミスは誰もが犯す物だよね!だからミスを犯してしまう事は仕方ない事だよ!大切なのはミスをどうカバーしていくかだと俺は考えている。だから、気にしなくてもいいよ。」
彼は私の目を見つめていた。
「だからってミスを続けられても困るんだけどね!」
彼はそう言って笑った。私もそれにつられて笑ってしまった。
「その笑顔を忘れないでね!横山さんは素晴らしい笑顔を持っているんだからね!」
彼のその言葉が嬉しかった。迷惑をかけないようにしようと心に誓った。
「いつかきっと横山さんも誰かのミスをカバーする時が来るから!その時は宜しくね!」
そう言われても今の私にはそうなる自信は全く無かった。
「そんな時が本当に来るのかなぁ.....」
そう呟いてしまった。
「横山さんなら大丈夫!俺が保証するよ!」
彼にそう言われると本当にそうなると思えて来たのが不思議だった。
「それじゃあ次からも宜しくね!」
「ハイッ!!」
彼はまた仕事に戻った。キツく叱られ無かっただけに、早く仕事を覚えて迷惑をかけないようにしようと余計にそう思った。それはやる気を出させる為の手段の一つだったのかもしれない....それでも.....私だからって考えてしまうのは私の自惚れだろうか....
バイトを始めて半年程過ぎると、スタッフの仲間と軽口を言い合えるぐらいになっていた。
「横山さん!確か今日誕生日だったよね!これプレゼント!!」
彼がケーキを入れる箱のような物を差し出した。
「そうですけど....これは?」
「俺が作ったケーキだよ!良かったら食べて!!」
「由貴ちゃん今日誕生日だったの?おめでとう!」
美香さんが会話に入ってきた。
「ハイ!ありがとうございます。」
それから美香さんは彼を見て、
「裕兄は何で由貴ちゃんの誕生日を知ってるの?」
「何でって....横山さんの面接したの俺なんだけど....」
「だからって誕生日まで覚えているのはおかしいんじゃない?」
「いやぁ俺って可愛い娘の誕生日は忘れないから.....」
「私は誕生日にケーキなんか貰った事無い!」
「えっ?俺可愛い娘って言わなかった?」
「だから!私貰った事無いよ!!」
「美香ちゃんは鏡を見ているのかなぁ?可愛い娘って言うのは横山さんみたいな娘の事を言うんだよ!ねっ横山さん!!」
彼が話を私に振ってきた。彼と美香さんの漫才のような会話を楽しんでいた私は戸惑ってしまった。
「そんな事私に聞かれても.....」
美香さんは私を見て、
「ちょっと!由貴ちゃん!何で否定しないのよ!!」
「えっ....それは.....美香さんは美人だから....そうですよね!鷹矢さん!?」
私は苦し紛れに彼に話を振った。
「そうなの?裕兄!!」
「ハイ.....」
「だったらどうして?」
「そんな事言われても....俺だって貰った事無いんだけど....」
「なら教えて!裕兄の誕生日はいつ?」
「.....今日だけど.....」
「えっ?」
私と美香さんは同時に声を出した。
「今日なんだけど....」
「だから私の誕生日を覚えていたんですか?」
「そう....俺と同じ日だなぁって思ったから....」
「それにしても....由貴ちゃんばかり、ズルいんじゃない?みんなもそう思うでしょ!」
そこにいたスタッフに同意を求めた。
「みんなの分はあそこにあるから!」
彼が指差した方を見ると、三種類のケーキと箱が用意されていた。


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