「負けないで」-3
帰りの車の中。
みーたんをマンションの前で降ろすと。
車を発進させる松田さん。
アタシは助手席に座って前を見めてる。
これはいつも事。
そして…。
「今日はいい出来だったよ…よっちゃん」
優しい言葉でアタシを労う松田さん。
本当に暖かい人だ。
その松田さんがやや躊躇った後に。
「実はね…よっちゃん逹に24時間マラソンのオファーが来たんだけど…」
仕事としては大きな話だった。
でも…何故か素直に喜べないアタシ。
「大丈夫?」
黙りこくるアタシを気遣う松田さん。
アタシも笑顔で…。
「大丈夫…ねっ今日…寄ってく?」
運転の邪魔にならない程度に松田さんに寄り添うアタシ。
これもいつも事だった。
シャワーを浴びてバスタオルを身体に巻いたアタシ。
寝室に入ると。
先にシャワーを終えた松田さんがベットの端に腰かけていた。
「お待たせ…」
アタシは小さく笑うと松田さんの横に腰を下ろした。
松田さんとこうなったのは、まだアタシが『みっちゃん♪よっちゃん♪』だった頃なんだなぁ…なんて、まだついつい考えてしまう。
そんなアタシの空気を敏感に察知してるのか。
松田さんは何も言わないで優しく。
アタシの素肌の肩を抱き締めてくれる。
アタシは今はただぴったりと松田さんに身を預けるだけ。
「フッ…」
更に優しく小さく笑う松田さん。
右手の指先でアタシの顎を優しく摘まんでいる。
そして…。
スッと俯き気味のアタシの顔を上げると。
松田さんの唇。
アタシの唇にそっと重なってきた。
今は松田さんに溺れよ。
アタシは優しく唇を吸ってくる松田さんの唇。
その唇を貪る様に吸い返す。
「んはぁ…」
熱い吐息を漏らしながら…貪り続ける。
そんなアタシの唇の間に松田さんの舌が入ってきた。
それと同時にアタシをベットに寝かし倒す松田さん。
アタシもゴロンと寝そべりながら両目を閉じた。
そっとアタシの身体のバスタオルを外す松田さん。
剥き出しになったアタシの小ブリの乳房に触れてきた。
アタシの手の平も松田さんの胸に触れている。
こうしていると、とっても落ち着くよ。
松田さんの唇がアタシの唇を外れ…首筋に滑り落ちてきた。
「んはぁ…ぁぁぁ…」
アタシの首筋を優しく愛撫する松田さんの唇と舌先。
アタシの口から熱い吐息が漏れる。
尚も首筋にキスの雨を降らせ、優しい手つきでアタシの乳房をまさぐる松田さん。
「あっ!あぁぁ!」
乳房の先に触れる松田さんの指。
アタシの心も身体も徐々に高まってくる。
そして、たっぷりとした余韻を残して松田さんの手がアタシの乳房を離れた。
その手が次に向かった先はアタシの下腹部。
その手の代わりに乳房に向かってくるの松田さんの唇。
「はぁぁ…はぁ…ははぁ」
アタシの口からは吐息とも喘ぎともつかない物が溢れ始める。
心や身体の高ぶり…それに反比例して、それ以外の物が薄らいでゆく。
それでいいんだよ。
そう伝える様にアタシの乳首に触れる松田さんの唇、そして淡い繁みを掻き分ける指先。
「ぁぁああ!んん…」
全身に力を入れて、その思いを受け止めるアタシ。
「んぁ…よっちょん…」
松田さんの思い…徐々に激しさを増してくる。
唇で舌で。
アタシの硬くなった乳首を貪る様に吸い続ける松田さん。
そして指先もアタシの一番敏感な部分を丹念に擦り上げてくる。