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「負けないで」
【アイドル/芸能人 官能小説】

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「負けないで」-1

アタシは森崎芳美。
『みっちゃん♪よっちゃん♪』のボケ担当。
二十ウン才の独身。
まぁ女芸人の中ではそこそこのちょっと下って感じの容姿かな。
相方のみっちゃんとは学生の時から親友だったんだ。
そのみっちゃん。
女芸人の中ではピカイチの可愛さ。
そんな激カワのみっちゃんとブサカワのアタシとで構成された『みっちゃん♪よっちゃん♪』。
アタシのちょっとエッチな妄想にシュールで毒のあるみっちゃんの突っ込みが大人気で。
去年あたりから大ブレークしてたんだ。
今年の初めまでは…。

ピンでのバラエティ番組のひな壇。
「お疲れさまっしたぁ」
予定を四時間押し収録が終わり楽屋に戻ってきた。
鏡の前に座り。
今日のアタシ上手く笑えてかな…なんて考えてしまう。
「よっちゃん…今日もよかったよ」
アタシより十歳くらい年上の男の人が笑いながら話しかけてきた。
この人は松田さん。
アタシ達『みっちゃん♪よっちゃん♪』のマネジャー。
バツイチの現在独身。
特別いい男って訳じゃないが今のアタシを支えてくれる大切な人だ。
「ありがと…松田さん」
その松田さんの言葉に俯き加減に答えるアタシ。
ついつい松田さんの前では素が出てしまう。
そんなアタシをちょっと垂れ目だけど…暖かい目で見つめてくれる松田さん。
でもアタシは次の言葉が出てこない。
そんなアタシに松田さん。
少し言いずらそうに言葉を紡ぎだした。
「実はさ…二代目みっちゃんの候補が決まりそうなんだ」
なに言ってるの!?って感じだった。
「みっちゃんは…みっちゃんは一人なの!二代目みっちゃんなんてないんだよ…」
そう言い放ったアタシの瞳にミルミル涙が溢れてきた。
「よっちゃん…辛いかもしれないけど、しっかり現実を受け止めて」
感情的になっているアタシを優しく諭す様な松田さん。
「松田さんは…そんな言えるけど…アタシ達はずっと一緒だったの!ずっと一緒にやってきたの!」
更に感情を爆発させてしまうアタシ。
こうなってしまうと涙はもう止まらなかった。
「よっちゃん…わかってるよ、わかってる!」
松田さんの目にキラッって光る物が見えた。
そしてアタシをギュッと抱きしめてくる松田さん。
アタシは…。
松田さんの胸で泣きじゃくりながら。
『みっちゃん♪よっちゃん♪』が売れる前から松田さんも共に歩んで来た事を改めて思い出していた。

数日後。
アタシたちは『みーたん♪よっちゃん♪』となった。


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