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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ3-2

「…てな訳だ、ナンシー。店の方は頼む」
全てを話し、暫く変態の取り締まりたい。
だから、その間は店を頼みたい。
真剣なマコの申し出だった。
「わかりやした」
昨日、今日の付き合いではない。
ナンシーもマコの熱い気持ちをしっかり受け止めた。
が…。
「と…言いたいとこッスが…」
「頼むよ…ナンシー」
いつもの様な短気は起こさないマコ。
「マコさん…店はうちの後輩にまかせやす…やつらの日当はお好み、一個で充分ッスよ」
ニッコリと笑うナンシー。
マコは今一、話が理解できない様だ。
「マコさん!うちも手伝いますッス」
ひときわのナンシーの笑顔。
「ナンシー…」
話を理解したマコ。
感極まった顔でナンシーの肩をガシッと掴む。
「へへ…マコさん」
ナンシーも照れながら自分の鼻の下を。
右手の人差し指で擦っている。
その時…。
「店のこたぁ…俺に任せなぁ!」
出店の外から野太い声が響いてきた。
出店の中から…びっくりした様にそちらの方を見るマコとナンシー。
「じじい!」
「源さん!」
驚いたままのマコとナンシー。
「店のこたぁ…俺に任せて、おめぇらは不届きな野郎を取っ捕まえてこい!」
厳しい顔で腕組みをしていた源さんがニカッと笑う。
「ありゃとうッス」
嬉しそに笑うナンシー。
そしてマコも…。
「任せとけ!」
真夏のお天道さまに負けない笑顔で答えた。

次の日からマコとナンシーのパトロールが始まった。
そして事件から一週間くらい経った今日も。
マコとナンシーはビーチに繰り出していた。
昨日まではTシャツに短パンという姿だった二人だが。
今日は…。
マコは真っ赤なビキニ。
ナンシーは黒いビキニ。
二人ともかなり際どい感じのビキニであった。
こんな格好の二人であったが…遊び半分という訳ではなかった。
大真面目で鵠が浜海岸に出没する変質者を捕まえるつもりであった。
その為の餌となったつもりで、格好はかなりセクシーな二人だが。
眉間にシワを寄せ。
輩の頃、培った眼力を如何なく周りに振り撒いていた。
自然と二人とも方をイカらせ、首を前に突きだし。
がに股で闊歩する、なかなかのチンピラ歩きだったが。
ねぇねぇ――。
遊ぼうよ――。
そんな二人にも幾多の声がかかってくる。
恐るべきは真夏の海の力だったが。
「あぁぁ!」
「んだぁ!こら!」
マコとナンシーはそれらの声を丁重に断っていた。
「あの〜」
今度は背後から声をかけられた。
「「あ゛あ゛ー」」
マコとナンシーは声を揃え、とびきりのメンチを切って振り向いた。
が。
「あ!せ…誠司さん!」
「あら!え!ごめんなさい…」
慌てて笑顔を作るが…二人の笑顔はどこか引きつっている。
それは呼び止めた誠司も同じだった。


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