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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ3-3

「い…いや…水着姿だから…最初、わかんなくて」
バツが悪そうに頭を掻く誠司。
「い…いやこれは…」
「マ…マコさんがその」
バツが悪そうなのは二人も同じだった。
だが…。
「アタシが何だってんだよ!えぇ?ナンシー」
マコはちょっと前の余韻をまだ引きずっている様だ。
「いやぁぁ…自分たちが囮になって…変質者を誘きだすって…いい考えしょ!」
しどろもどろのナンシーだったが最終的にマコをヨイショした。
「マコさん…」
だが、このナンシーの言い訳が誠司の心を揺さぶった様だ。
感動の面持ちで両手でマコの手を握る誠司。
「あぁぁぁぁ!」
憮然とするナンシー。
マコは何処か違う処に意識を飛ばしている様な顔つきでヘラヘラと笑っている。
「誠司さん!」
そのマコの両目がハートマークになる。
誠司の手をガッシリと握り返しブンブン振りながら。
嬉しそうに顔を綻ばすマコ。
「いつまで!やってんすか!」
ナンシーが必死になってマコの手を誠司の手から振りほどく。
「なに!……するの?ナンシーちゃん」
怒鳴ろうとしたが…誠司の手前、瞬時に穏やかな声に切り替えるマコ。
「うぅぅぅぅ…」
ナンシーは唇をトンがらかすと恨めしそうな目で、そんなマコを見つめていた。

ひとしきりマコとナンシーに感謝の言葉を告げると誠司は事務所に戻っていった。
「さぁ!張り切って変態野郎を捕まえッゾ!」
すっかりご機嫌のマコ。
「へいへい」
誠司と握手の出来なかったナンシーは機嫌が悪い。
だがお構い無しにそんなナンシーを引っ張るとマコは徘徊の様なパトロールを再開した。

「でも…こんな事してて変態野郎、捕まるんスかぁ?」
少し機嫌を持ち直したナンシーの。
もっともと言えばもっともな疑問だった。
「ん〜ん」
ナンシーの言葉にマコは腕組みして。
眉間にシワを寄せると難しい顔をして考え込みだした。
「どうッスかなぁ」
「どうしやしょ?」
ナンシーもマコを真似る様に腕組みをしているが。
「そうだ…でやんス」
ナンシーがパッと顔を輝かせた。
「おう!なんだ?」
釣られて顔を輝かすマコ。
「マコさん…元AKBっすよねぇ?」
ニタニタとマコを見つめるナンシー。
「な…なんだよ!うっせぇなぁ!」
何だよ今さら…って感じで苦々しくナンシーを見つめるマコ。
「出番っすよ」
直もニヤニヤし続けるナンシー。
「なにが!」
同様に顔をしかめるマコ。
「得意の手ブラで変態を釣り上げやしょうよ」
何ともとんでもない事を言い出したナンシーだが。
「ん〜ん」
真剣に考え込むマコ。
半分は冗談のつもりで言ったナンシーだったが。
意外にも真剣に捉えているマコに脈ありと見たのか。
「マコさんが本気になったら…食い付かない男なんていないッスよ!」
面白半分のおもいっきりのヨイショのナンシー。
「そ…そうかぁ!」
マコは破顔一番、かなりその気になっている。
「よ!鵠が浜の女神!」
完全に悪ノリのナンシー。
「いっちょやっかぁ!」
マコ…簡単に陥落、すっかりその気になっていた。


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