投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

てき屋のマコの最初へ てき屋のマコ 4 てき屋のマコ 6 てき屋のマコの最後へ

てき屋のマコ2-1

マコさん、事件です

翌朝…。
“鵠が浜に女神降臨”
“元AKBメンバー『マコ』禁断のセクシーショット”
昨日より遥かにド派手なPopに飾られた出店をニタニタと見上げるマコ。
その横でナンシーは…。
「なんすか!このハデハデ!だいたい元AKBなんて、詐欺じゃないッスかぁ!」
憮然としていた。
「人聞き悪い事、言うなよ!アタシは元AKBって族にいたんだよ!」
取りつく島のないマコ。
「うちらいたのって…『ピンクナイツ』じゃないッスかぁ!」
マコと自分が所属していた族の名前を上げて…。
ナンシーも食い下がる。
「その前にいたんだよ!」
「そんな族ないもん!」
「ウッセーな!あったんだよ!」
「ないもん!」
早朝からまことに喧しい二人だった。

「うるせぇな!マコ!」
野太いダミ声がマコとナンシーの争いに割って入ってきた。
声の方を振り向くマコとナンシー。
その先にいたのは…。
「げ!じじい!」
態度の悪いマコと。
「源さん…ちわっす」
態度の良いナンシー。
両サイドと後頭部を覆う白髪以外は見事に禿上がった色ツヤのいい禿頭。
薄く色の入った老眼鏡。
真っ赤なアロハシャツに白いハーフパンツ。
年代的にはマコたちの祖父くらいのこの老人は。
田代源三…通称源さん。
鵠が浜海岸露店商組合の組合長であった。
「ったく!おめぇは!まぁた…妙な事おっぱじめやがったな!」
マコの出店を見つめた源さん。
苦虫を噛み潰した顔でマコを怒鳴りつける。
「じじい!妙な事ってなんだよ!」
マコも引かない。
この源さん。
マコの父親やマコに、てき屋のイロハをたたき込んだ。
マコにとっては祖父の様な存在であったが…。
とりわけマコには口喧しかった。
もっともマコにしても大人しく従った試しもなかったが。
とにかくマコと源さん。
顔を合わせれば、いつもこんな感じではあった。
だが…それは祖父と孫の口喧嘩みたい物であった。

マコと源さんがそんな争いを繰り広げ。
ナンシーがそれをニヤニヤと傍観している時だった。
「お取り込み中すみません」
「上山さん!」
ナンシーの顔がパッと輝いた。
無論…上山と聞いたらマコも黙ってはいられない。
「え!あ?す…すみません…わたくしとした事が」
取り繕った様な笑顔で振り返る。
「たく!調子いいヤローだなぁ!」
憮然としながらも苦笑いを浮かべる源さん。
「すみません…お忙しいところ」
誠司はバツが悪そう後頭部をかいている。
「とんでもございません」
マコの顔がみるみる赤くなってきているが…。
前に出ようとするナンシーを身体でディフェンスしている。


てき屋のマコの最初へ てき屋のマコ 4 てき屋のマコ 6 てき屋のマコの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前