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シグナル
【青春 恋愛小説】

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シグナル¨10¨-3

〜(Narutoshi's Side)〜

元日の朝を迎えた。
でも、初詣にはまだ行かない。
うちの家族は昔から元日に初詣をした事はなく、人の数が落ち着いてくる3日にやる事が決まりになっていた。

だからこの日は遅くまで寝ている。
父さんも母さんも姉ちゃんも、そして僕も・・・


「・・・ん・・・」


微睡む僕を起こしたのは着信音だった。
誰だろうこんな朝早くから・・・ああ、早くは無いか。もうそろそろ10時だしなぁ。

「はい、もしもし・・・」
『おう。まだ寝てたか』
「賢司・・・どうしたの。そうだ、こないだ免許取ってたよね。おめでとう」
『おう、楽勝だったぜ。ああ、あのな、ちょっといっときたい事があってな。おめでとう、成敏』

・・・明けまして、が抜けてるぞ賢司。

『おめでとう。お前から告白したんだよな。ずっと聞いてばかりだったのに、勇気あるよな』
「あ、ありがとう。でもこないだ言ってなかったっけ?」
『また言いたくてよ。たぶん弥生や杏子も遥に2回言ってんじゃねえかな』
「そ・・・そうかな」
『お前が成長したから嬉しいぜ・・・話はそれだけだ。じゃ、またな。あけおめ』
「うん、あけおめ」

それを言うためにわざわざ電話してくれたのか。
あっ、まただ。次は誰だ?賢司から来たから多分・・・

『あけおめ!!起きてっか成敏!!』
「うるさいよ速人・・・声がおっきいって」
『おめでとう、遥の彼氏になったな。いやーマジ嬉しいわ、お前らもやっとカップルになってよ』
「うん、ありがとう。時間かかったけど、やっとなれた」
『時間は関係ねえよ、実ったかどうかが大事だ。それに、お前からいったっつうのがマジ嬉しいんだよ!』

そう言ってくれると僕も嬉しいよ、ありがとう速人。

『いいか、これでゴールじゃねえぞ。寧ろスタートなんだからな。お前らの道はこっからだ、じゃまた学校でな!あけおめあけおめ!』
「うん、あけおめ」


電話を置いて、もう一度布団の中に潜り込んだ。
遥が僕の彼女になったのはもちろん嬉しかった。
そして、僕の事を思ってくれてる友達がいるというのを改めて思うと、更に心が踊る様な気持ちになった。

今年も、いい一年になりそうな予感がした−


〜〜続く〜〜


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