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冬の日の出来事。
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その後の出来事。-2

「つぼみ結婚しないの?」
「さぁね」
「この前のあいつは?」
「どいつ?」
「前に家まで来てた奴」
「いつの話よ。とっくに別れたけど」
「お前ってサイクル早いよな」
「誰のせいだ」
「知らねぇよ!お前の男を見る目の無さだろ」

くっそ、その通りだよ!
男を見る目さえあればお前なんか好きになってねえっつーの!
責任取れ、バカ男が!!


長女気質とでも言うのか、世話焼きで自分より人を優先させる厄介なこの性格を好きだと言う人は意外に多く、それなりに告白されたり付き合ってみたりした。
でもそれは一年以上前の話。
去年の冬の日からあたしは誰とも付き合ってない。

相変わらずふて腐れてる隣のバカに目をやった。

「なんだよ」
「別に」

朋久を忘れたかった。
誰でもいいから、朋久じゃない誰かを好きになりたかった。
でも分かったんだ、あたしは朋久以外の誰も好きになれないんだということが。

きっとこいつは、あたしの事を風船並に軽い女だと思ってる。
冗談じゃない。
あたしは海より重い女なのに。


「で?そいつと別れた原因は?」
「興味あんの?」
「退屈しのぎに聞いてるだけ」
「…」

にくたらしい。
別れた理由だぁ?
そんなもん、あんたが好きだからに決まってんでしょうが。

「まぁ、お前を選ぶ時点でどうかしてるけどな」
「は?」
「だってさ、つぼみっていっつも人の世話焼いてんじゃん?修学旅行とかじゃ必ずみんなのご飯よそう係にされちゃったりして」
「だから何」
「完全にお母さんだよな」
「お母さん!?」
「そう、肝っ玉母ちゃん」
「誰が肝っ玉母ちゃんだ!」
「お前を選ぶ男はみんなマザコンなんだよ」
「やめてよ、その勝手な解釈!」
「だってそーじゃん。俺、昔からそう思ってたもん」

お母さん?
肝っ玉母ちゃん??
あたし、こいつにそんな風に思われてたの?
ただのいとこじゃないにしても、せめて姉妹くらいに思われてると思ってたよ。

彼氏できたらわざと見せびらかすように横に連れて歩いたりしてた。ちょっとくらい嫉妬してくれないかななんて期待してたのに。
こいつはその光景を『肝っ玉母ちゃんとマザコン息子』という風に見てたわけ!?

好きになれとは言わないから、せめて女として見てほしい。
1ミリくらいでもいいから異性として意識されたい。

意識…

今日の服装はフォーマルのワンピース。広く開いた胸元をショールで隠している状態。


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