シグナル¨5¨-8
「ちょっと体力を消耗しただけで、今夜は早めに寝れば平気だって」
「そ、そうか。良かった。はあ・・・」
張り詰めていた緊張が解けていく。
良かった・・・もし杏子に何かあったら、俺は・・・
「ありがと、賢司くん」
「いや、俺は正しいと思った事をしただけで・・・」
「いつも私を見てくれてるんだね。すごく、嬉しいよ」
杏子は隣に座り、俺の顔を真っ直ぐに見つめてきた。
そうだ、俺も見てるよ。俺はお前しか見てない、杏子。
「・・・賢司くん・・・私の・・・」
周りの時間が止まった気がした
「私の、彼氏に・・・なって、ください」
優柔不断な杏子からのお願い。
いつも自分じゃ決められなかったのに、俺を選んだ。
自分の・・・意志で
「杏子も・・・俺の彼女に、なってくれ」
この日−
初めて俺は、杏子の後に決断した。
〜〜続く〜〜