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『武骨くんと鎖骨ちゃん』
【フェチ/マニア 官能小説】

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『ツンデレちゃんと硬派くん』-8

やっとサナの"ナイショの"恋バナから解放されて…
(実はサナには、長年の草食系の本命片思いがいるらしい)
李湖はトイレに駆け込んだ。

…―ふー、長かった。
あれ、でもなんで昨日、グラウンドに行く途中、ニセの恋バナしたのかな?
もしかして、私に好きな人がいるか聞き出したかったとか?
サナちゃんなら、喜んで恋のキューピッド役になってくれそうだもんね。

今後、サナと仲良くなれそうな兆しを見付けて、明るい気分になってトイレを出た李湖。
いきなり腕を引っ張られて、暗がりで抱きすくめられた。
そこで口をふさがれてパニックになりかけたが、そのくちびるに当たる感触に、声をかけられる前に、誰だか分かってしまった。

「…李湖」

そこは、給湯室のようだった。
洗面台や食器棚が闇に浮かんで見える。
熱い体温と、この香りは、洸太郎だった。

「…今日も…いい?
おれ、イイトコ見付けたんだ」

…―甘い誘惑。
李湖には、拒否などできるわけもなかった。
後ろから熱い体に包まれた瞬間に、先程の風呂あがりの洸太郎の裸の上半身が脳裏に蘇り、一気に情欲の火がついたから。

顔も体もがっちりと固定されたまま、なんとかコクコク頷く。
その拘束感に、また体内の火が煽られるのを感じた。


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