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シグナル
【青春 恋愛小説】

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シグナル¨3¨-4

「結果を見てもらおうか」

びっしり書き込んだノートを見せてやったら、目を丸くしていた。
あの冷静な弥生が驚くとは珍しい。俺が先生の話を聞いていたというのに驚いたのだろうか。

「すごいじゃん。見直しちゃったよ」

おっ、素直だな。
また憎まれ口でも聞いてくるのかと思ったが、予想が外れた。
でも悪い気分じゃねえな。

「・・・・・・・・・」
「どしたの、人の顔じっと見ちゃって。これ以上の言葉を期待してんの?」
「・・・いや、別に」

こいつは、弥生は人を褒めるのがあまり上手くは無い。
素直に本音を出す杏子や、口数は少ないがちゃんと相手に伝える遥の方が相手を褒めてくれたりする。

そいつに怒られなかったんだから、少なくとも前の俺よりはましになった、ってとこかな。

「これ、やる」

トン、と机に紙パックのカフェオレを置いて、弥生は自分の席に戻っていく。

「なんだ、これ」
「・・・飲むつもりだったけど、やるよ。それ」


弥生はこっちを見ないでさらりと言った。
あいつなりの精一杯のご褒美なんだろう。今は振り向かせられなくても、いつか見ることが出来んのかな。

・・・決めた、俺は目標を見つけたぞ。



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