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常盤高校 柔道部
【スポーツ 官能小説】

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常盤高校 柔道部8-1

チャアン♪チャン♪チャ♪チャ♪
チャアン♪チャン♪チャ♪チャ♪
ズズチャアチャ♪ズズチャアチャ♪ズズチャチャ♪ジャァァァン♪
『ロッキ○』サントラ猪熊セレクトに乗って僕のトレーニングは続いた。
あげく猪熊先生はパンチングボールやサンドバックまで持ち込んで柔道とはかけ離れた練習メニューまで入ってきたけど…。
ぶっちゃけ僕もノリノリだった。
通常の練習をこんなに楽しいと思った事はなかった。
家でこっそり生卵も四つくらいまとめて飲んじゃった。
そしてどうせやるならと…例の神社で階段ダッシュ。
おお身体が軽い!!
やべぇ!頭の中で『ロッキ○』のテーマが鳴り響いてる!
駆け上がって…やっぱこのポーズだ!
僕は両方の拳を高々と突き上げた。

いよいよ明日は早乙女さんの練習試合だ。
僕はみんなが帰った道場で長い様で短かった練習の日を振り返っていた。
「軽部…」
声をかけられた僕が振り返ると猪熊先生が立っていた。
「軽部…」
「はい…」
「おまえは明日正々堂々と柔道をしろ」
「へ?」
意外な感じのする猪熊先生の言葉だった。
……?いや、本当はこう言う指導の方が教師としては正解か。
「でも…」
ただ正直、僕には正攻法で勝つ自信は全くなかった。
「いいから…早乙女を振り向かせたいなら…正攻法で勝負しろ」
猪熊先生は優しく諭す様に言うとニッコリ微笑んだ。
「は…はい!マスター!!」
僕は気合を入れて返事するしかなかった。

練習試合当日。
僕VS早乙女さんの練習試合はちょっとしたイベントになっていた。
黒江先輩も園田先輩も見にきていた。
なんと…美登里ちゃんまで猪熊先生の許可を取り観戦している。
やりずらいなぁ。
「早乙女さん…ごめんなさい…こんな大事になって」
僕は道場で正座している早乙女さんに謝りにいった。
「別に…かまわん」
ニコリともしない早乙女さん…普段通りだ。
練習試合だから審判は一人、真理先輩だ。
僕は緊張しながら早乙女さんの対面に正座した。
ジッと僕を見据える早乙女さん。
凄い!静けさの中に秘めた闘志がビンビン伝わってくる。
が…頑張んなきゃ!
僕もその静かなる闘志に応える様にジッと早乙女さんを見つめた。
「じゃあ…始めるよ」
真理先輩の真面目な声が聞こえてきた。
「審判に…礼!」
「「よろしくお願いします!」」
「お互いに…礼!」
「「よろしくお願いします!!」」
ついに始まった。

「てぇぇぇぇ!」
奥襟を掴んできた早乙女さん裂帛の気合と共に大外刈りだ。
僕は横に流れて何とかかわす。
真剣だ…真剣に倒しにきてる。
まぁ…当たり前かぁ。
僕は早乙女さんの奥襟を切り…早乙女さんの袖口を掴んで手の動きを封じる。
あれ!僕が力負けしてない!
早乙女さんが得意の奥襟を取りあぐねてる!
「軽部くん!虎の目よ!虎の目を思いだして!」
猪熊先生の鋭い声が聞こえた。
そうだ!
『アイ・オブ・ザ・タ○ガー』だ!『ロッキ○』だ!!
僕はあの人に勝ちたい…って、これはアム○か。
いくぞぉぉぉぉぉぉ!!
僕は今までの人生の中での最大級の気合で渾身の内股。
「ふん!!」
早乙女さんも全力で僕を突き放し踏ん張っている。
でも…体は崩れた。
ここだ!
「いやぁぁぁぁぁ!」
続け様での払い腰。
踏ん張る早乙女さん。
その腰が…浮いたぞ!!
いけぇぇぇぇぇ!
僕は全身に力を込めた。
えっ!?
数秒後…僕は畳に大の字になっていた。
「一本!そこまで!」
遠くで真理先輩の声が聞こえた。
僕…負けちゃったんだ。


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