Crimson in the Darkness -出遭-X-2
「アーク!」
リーが引っ張り上げようとオレの身体にしがみ付いてきた。
少し足掻いて、銃を影に向けて何発か撃ってみるが、やっぱり効かねぇ。
こりゃ、前ン時よりやべえな。
『お前程度では何をしても出れんよ。永久の闇で苦しめ、人間』
「離れてろ! 巻き込まれたいのか!?」
必死に沈んでいく身体にくっついているリーを無理矢理引き剥がして、突き飛ばした。
それでも、駆け寄ってきて、またしがみ付く。
「嫌! 嫌だ! アークが助けてくれるって約束した!」
「馬鹿か! オレじゃなくて教会を頼れ!」
「ヤだ! おれはアークじゃなきゃ嫌だ!!」
どうなってんだよ!? コイツの頭ン中は!
死なないためにこんなトコまで逃げてきたんだろうが!?
なら、なんで無駄死にを選ぼうとするんだ!
「馬鹿ガキ! 死ぬ気か!? 何の為に」
「そこまでにしていただきましょうか。この状況下で痴話喧嘩なんて、ヨユーですね? アークさん?」
腰まで沈んだオレと泣き付くリーの前に現れたのは呆れ顔の…。