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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-X-1

「ッ! 止めろッ」





 引き金に掛かっている指に自然と力が籠る。





『何だ、人間。銀の銃弾か? 銀は銀でも“純銀”でなければ、この前のように傷を負っても治ってしまうぞ?』



「確かに“純銀”じゃない。でも、―――痛いんだろう?」





 あの時、痛みで叫んでたじゃねぇか。そうだろ? なら、何も出来ないわけじゃねぇ。



 リーを突き飛ばすと同時に突きつけていた銃の引き金を引いた。



 また、空間をねじ曲げて渡ったのか、ヤツの姿が一瞬で視界から消えていた。



 でも、最初の一発は当たった、……はずだ。表情が豹変したのが見えたから。



 ただ、次は何処に現れる……?





『気に入らん! 気に入らんぞ! 人間風情が!!』





 憎悪と言うか殺気と言うか、そんなドス黒いモンが自分の足元から感じだ。



 ―――影!



 月光によって生み出された地に伸びる影から二本の青白い手が生え、オレの足を掴んでくる。





『闇の恐ろしさを教えてやろう。人間』





 ヌッと影の中から青白い顔が出てくるのは異様な光景だな。でも、ンなコト考えてる場合じゃないな。影に身体が沈み始めてる。





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