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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-W-4

「リー、何で狙われてンだよっ?」



「……」





 この状況で説明させる気もないけど、いい加減ダンマリは飽きたぞ。馬鹿ガキ。





「お前の置かれてる状況、後で説明しろ! オレが納得するまで問い詰めるからな!」





 銃口の向けた先に容赦なく銀の弾を叩き込みながら、言いつけ通り背後にくっついてるリーに吐き捨てるように言う。返事なんざいらねぇ。絶対聞き出してやる。





 それにな、360度全てに気を回してたら死角なんてモンは何時か出来るンだよ。





「っ アークっ 右!!」





 リーの切羽詰った声が耳に届いた途端、反射的に右腕で庇った。次いで、右腕に牙が突き刺さる痛みと重い圧迫感を感じる。標的との高低差がありすぎるのもやりにくいな。





「ンのっ」





 薄手のシャツの上から噛まれたから、牙はしっかりと肉に食い込んでいて、赤い液体が地面に流れ落ちていく。



 ぶらりと右腕にぶら下がる子供ほどの大きさの犬の首筋に銃口を押し当てる。銃声と共に腕から重みが消え、ドシャッと音を立てて、ソレが地面に崩れ落ちた。





「アークっ 大丈夫!?」





 リーは泣き出しそうな声を上げながら、腰にしがみ付いてきた。





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