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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-W-5

「大丈夫だよ…………しっかし、ラチがあかねぇなっ」





 右手の拳銃をホルスターに納めて、ポケットにねじ込んだままの十字架を引っ張り出した。それを天に掲げるように持ち上げると、祈りに近いコトバを口にする。





 ――白き風は神の息吹き。邪なるものたちに静寂たる眠りを。





 フワッと風が頬を撫でる。そして――



 キイイィィィン



 耳を劈くような音が僅かに響き渡る。





「すご…」





 オレたちを囲う様にしていた犬たちの眼に宿っていた赤い光がゆっくりと消えていく。





「一時的な魔祓いだ。ヴァンパイアには効かない」





 一時的に傀儡(くぐつ)状態を解除出来ただけに過ぎない。一定時間は傀儡は使えない。



 警戒しながらも犬たちはジリジリと下がっていく。





「…………そーなの?」



「アイツ、ピンピンしてるだろ」



「う、ん」





 何もしてこず、突っ立ったままのヴァンパイアを視界に納めたままリーに言葉を返す。





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