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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(5) -6

E斎場での告別式は粛々と行われていた。祭壇には眼鏡をかけてボブの髪型の佐和子の
写真が掲げられていた。遺体は見る事が出来ない。葬儀は神葬祭で行われた。
葬場祭では神主が祭詞を読み上げている。正之と隣には順子が忍び手で
佐和子を供養した。その目には涙で溢れていた。順子も涙を流しながら
忍び手をしている。生徒達からもすすり泣く声が響いた。
中でも大声で泣いていたのは休学中だった篠崎沙希だった。
佐和子に救われた事から佐和子の死を誰よりも悲しんだ。
本当はここにずっといたかった。遺族に恋人ですと言いたかった。
しかし畑中に則されるようにしてその場を立ち去った。
ちなみに葬儀には萩原はいなかったがそんな事はどうでもよかった。
それより最後まで居られない。その事が正之の心を抉った。

ふと気がつくと斎場の最寄り駅にいた。この駅は特急列車が止まらない。
駅のアナウンスで「通過列車が参ります。」と客に告げる。
(そうだ・・・。この列車に飛び込めば佐和子に会える・・・。)
ふと線路側に歩み寄る正之に特急列車がスピードを上げながら近づいてきた。
(佐和子・・・今行くよ。)
そう思った時誰かが正之の右腕を掴んだ。それと同時に特急列車がその駅をホーンを上げながら通過した。
正之は我に返り腕を掴んだ主を見た。順子だった。当時流行っていた頭の上にリボンを結んだヘアースタイルをしている。
「野村、どうしたのよ。危ないでしょう。」
しかし正之は黙り込んで何もしゃべらない。不安に思った順子は正之の腕を掴んだまま付き合う事にした。
自宅の最寄り駅の手前で正之はいきなり降りた。ここは佐和子のマンションのある駅だった。
「ねえ、どうしたのよ。何があったの?」
「お前に・・・。」
「え?」
「お前に何がわかるんだよ。前にも言っただろう。どうしょうもな事が世の中にはあるって。」
「そんな事ないわよ。野村の考えている事もうすうすわかるわ。」
「え?」
「・・・篠原先生と・・・出来ていたのね。」
「!?」
驚愕の目で順子を見つめた。
「だいたいわかるわよ、あなたと篠原先生を見ていたら。」
「・・・。」
「篠原先生ともHをしていたのね。」
正之は思わず順子を見つめる。
(なぜそこまで知っているだ・・・。)
「やっぱり・・・。いつも野村がすっきりしたような顔をしている日は篠原先生は
綺麗に見えたわ。そういう関係だったのはうすうすわかっていたわ。」
「・・・。」
「葬儀の後でこんな事は言うのもなんだけど・・・私の家に来ない?」
「え、何言ってんだよ。」
「今日家には誰もいないんだ。親が法事とかで家に帰ってお姉ちゃんも大学のキャンプとかで。」
「岡崎・・・。」
「私じゃダメかな?」

順子の家はその駅から5分歩いたところにあった。普通のありふれた2階建ての家だった。
(そう言えばクラスメートの家とかって行った事なかったっけ。)
順子は塩を自分と正之に振りかけると玄関のドアを開けた。
「お邪魔しまーす。」
「私の部屋は2階にあるから上がって。」
正之は順子に案内されて順子の部屋に入った。机、ベッド、TV、猫のぬいぐるみが
置かれている当時の普通の女子高生の部屋だった。
「じゃ今飲み物持ってくるから待っててね。」
正之はカーペットの敷かれた床に座り込んだ。
ふと人の気配を感じ、後ろを見るとそこには佐和子が立っていた。


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