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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(最終章) -5

「佐和子・・・ありがとう。永遠に忘れない。」
ドアを開けると順子が笑みを浮かべながら立っていた。
「ちゃんとお別れのあいさつをした?」
「ああ、したよ。これ佐和子からお前にって。」
「篠原先生のネックレスね。」
「明日からこれをつけて欲しいんだ。」
「いいわよ。」
正之は順子のその屈託のない笑いを見た時、佐和子の笑顔をオーバーラップするのを感じだ。
(佐和子!)
「ん?どうしたの?」
「いや、何でもないよ。さあて、明日から勉強の毎日だ。」
「図書館何時に待ち合わせようか?」
「9時でいいよ。」
順子と歩きながら正之はこう思わずにいられなかった。
(佐和子がいつもそばにいるという意味がわかったよ。順子が佐和子の生まれ変わりだったんだね。)

正之と順子はその1年後に大学受験に合格、同じ大学に進学した。その後
二人で教員免許試験に合格、二人とW高校に教員として就任した。
正之も順子も生徒と接する事で人気教師になり、時にはイジメとも戦った。
28歳の時に二人は結婚し、2人の子どもをもうけた。2人とも女で
一人は佐知子、もう一人は和子と名前をつけた。いずれも佐和子の名前から
取った名前だった。順子は育児休暇のためまだ現場には復帰していないが
いずれは復帰できるメドはついていた。正之は教務担任となった。

そしてそれから20年以上が経った。1980年代とは違って制服も変わり
男子はブレザーとなり女子も青のブレザーにミニスカートとなったが
学校の校舎は昔のままだった。
畑中はその後篠崎沙希と結婚し子供も設けた。そして教頭から校長となった。
職員室では正之と畑中が卒業式のための仕事をしながら思い出話をしていた。
「ところで一つ聞きたいんだが。」
「何です、畑中先生?」
「野村・・・篠原先生とは・・・出来ていたのか?」
「え?」
「お前が何だか満足そうな顔をしていた時に篠原先生が綺麗になっていたのがちょっと気になってな。
この話は墓場まで持っていくつもりだから、せめて本当にあったのかどうか
教えてくれないか?」
正之はしばらく沈黙したあとでうなずいた。
「そうか・・・。もしあの頃の俺だったら篠原先生を説得してでも止めに入っただろうが
お前がここまでW高を愛し、教師を信用してくれたと思えばそれも悪くないかもな。
教師としては許されんかもしれんが。」
畑中のこの言葉を聞いて目の前に佐和子がいるのではないかとさえ思った。
「畑中先生・・・。」
「野村、いい恩師を持ったな。」
「はい・・・。」
正之の目に涙が浮かんだ。
「篠原先生のお墓、ちゃんと綺麗にするんだぞ。」
「なら先生も一緒に行きませんか?」
「大歓迎だな。」
正之は登録している大手SNSサイトの母校コミュニケーションで佐和子の墓参りを呼び掛けたところ
当時のD組全員が参加を希望したのだ。

そして卒業式を終えて墓参りの日。佐和子の眠る墓地の最寄り駅には40人の
元D組のクラスメートがそろっていた。その中には畑中と沙希の姿もいた。
「遅いなあ、野村の奴・・・、お、来た!」
「遅いぞ!!」
にこやかに手を振る正之と順子、そして佐知子と和子の姿があった。
そして順子の首には佐和子の形見の星形ネックレスが春のそよ風になびきながらかけられていた。


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