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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(5) -5

「それにしても・・・。」
「?」
「信二って本当に今の奥さんを愛しているの?」
「?」
「さっきから私を追っかけている人がいるのよね。あなたの車を追っかけている人を見たわ。」
「!?」
奥の森から一人の人影が佐和子と萩原のところに近づいてきた。孝子だった。
「す、須藤先生・・・。」
萩原の顔が凍りつく。
「須藤先生と不倫をして私とも不倫しようとしたのね。」
「萩原先生、これはどういう事なんですか!?」
「い、いや・・・。」
「アンタもアンダだ!こんな泥棒猫みたいなマネを!」
「泥棒猫とは心外ですね。私は付きまとわれて脅迫までされて迷惑してたんですよ。
もう終わった仲なのに。それにしても生徒には恋愛するなだの
校則を守れだの言っているくせに自分たちは好き勝手に不倫ですか。」
佐和子は軽蔑の目で萩原と孝子を見ながら車に乗り込もうとした。
「待て!」
孝子はそう叫ぶと佐和子につばを吐きかけた。しかし佐和子はそれを難なく避けた。
そして爆音を上げながら海浜公園の駐車場を出ていった。バックミラーに自分を追いかけようとする
萩原とそれを阻止して問い詰めようとしていた孝子の姿が映ったが佐和子には気にも留めなかった。
夜道、4車線の国道に抜けるとそのまま自宅のマンションまで走っていた。
(本当に情けない男だったわね。正之の方がまだ男だったわ。)
そう思っていた時に一番前を走っていたタンクローリーが横転した。
タンクローリーからガソリンが漏れ、車が次々と車輪を取られ玉突き衝突していった。
「!?」
佐和子の車も取られてしまった。しかも萩原の事を考えてたのでブレーキが遅れてしまった。
佐和子の車は回転して国道の防音壁に強く激突した。車のボンネットはぺしゃんこになり
運転席は激しく大破し、ハンドルに倒れる血まみれの佐和子の姿があった。

次の日に登校してきた正之の顔は昨日とは打って変わっていつもの笑顔になっていた。
教室に入るやいなや順子が声をかける。
「おはよう、野村。」
「おう、おはよう、岡崎。」
「今日は笑顔だけどどうしたの?」
「まぁいろいろあってさ。サッカー部を続けられるよ。」
昨日畑中が電話してくれたおかげで親にようやく理解をしてもらったのだ。
部活も続けられ、門限も無かったことになった。
これで佐和子にも会えると思っていた。
そこへ畑中が悲痛な顔をして教室に入ってきた。
「・・・?」
クラス全員がその畑中の姿に疑問に思った。
「起立!礼!」
「本日は英語の授業はなしだ。D組は今日と明日、明後日の授業はなしとする。」
(・・・?)
正之は不安に思ってその姿を見つめていた。その不安は的中した。
「昨日、篠原先生が、交通事故で亡くなられた。D組は制服を着てE斎場で行われる
葬場祭に来るように。」
畑中の目から涙が浮かんでいた。
そしてそれを聞いた正之は思わず立ち上がった。


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