第12話-7
「早貴、いいぞ、思い切り来い。お父さんがついてるからな・・・」
もう一回、私とお父さんの手が結ばれた。
さっきと体勢が違うからちょっと握りづらいけど、嬉しかった。とても安心する。
本能のままに、何度もお父さんの上で求め続けた。
ずっと叫んでた様な気がするけれどあまり覚えていない。
気が付けば私は挿入したままお父さんの上にかぶさっていた。
手はしっかり結ばれたままで、唇も重ね合っている。いったいいつキスしたんだろう?
「んる、んっ、んん・・・」
体が・・・動かない。
何回しちゃったのかな。全身がじんわり熱くて、痺れてるみたい・・・
「おとぉさぁん・・・好き、大好きぃ」
目まで熱くなって、視界がぐにゃぐにゃ歪んできて、涙が零れていた。
何で泣いてるのか分からない。それでも、全然悲しくない。
そうだ・・・この体勢、思い出した。
本当にちっちゃい頃、怖くて眠れない時にこうやってお父さんの上で、抱き締めてもらったんだ。
おちんちんは、入ってなかったけど・・・
覚えててくれたんだ。
泣きじゃくってたあの夜、お父さんがこうしてくれたから、眠れたんだよ。
そっか・・・涙って、安心してても出るんだね。
良かった、私、お父さんの娘に生まれて、幸せだよ。
本当は面と向かって言いたいんだけど、まだちょっと恥ずかしいから待ってて。
いつかちゃんと自分の口で言える時まで
〜続く〜