イジメテアゲル!-46
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人気のない個室にピチャピチャと水音が響く。
便座に腰を下ろした由美は左足を抱き、定まらぬ視線を空中に彷徨わせている。
右のすねの辺りにシルクのショーツが絡まり、彼女が震える度に床に近づいていく。つま先が何度も床を蹴り、便座カバーがキイキイと音を立てる。
「だめぇ、どうして、英助、そんなところ舐めるの? オシッコするところだから、ダメですぅ」
先ほどまで英助の逸物を美味しそうにしゃぶっていた彼女が言うのは何かの皮肉だろうか。それとも、奉仕される恥ずかしさからの言葉だろうか。どちらにせよ、彼女は内側から沸き起こる快感に身を震わせる。
はしたなく開かれた口元から涎が零れ、鼻が詰まっているのか、くぐもった声になる。
「俺はこれからミーちゃんに痛い注射するんだよ。しっかり消毒しないと」
英助が再び愛撫に戻ると、由美は袖を噛む。
「だってぇ、さっきから私、身体がぽかぽかしてきて、動きたくないのに、ビクンビクンするんだもん。だから、そんなことしちゃ、ダメなのぉ」
外見はまだ少女のようなあどけなさの残る彼女だが、英助の稚拙な愛撫に性を刺激されつつあるらしく、少女からの開花の兆しを見せる。
「それは大変だね。じゃぁ、少し早いけど、注射の時間だ……」
英助は愛液と唾液の混ざる花びらから舌を抜き、中腰の姿勢で彼女に迫る。
「痛いかもしれない。けど、俺、由美のこと、幸せな気持ちにさせてあげたい。俺がしてもらったように……」
「うん。英助がいいよ。初めては、英助が……」
二人は数秒見つめあった後、軽くキスを交わす。
まだ一度しか抜いていない陰茎は、その若さ故の回復力で既にギンギンに勃起している。
英助は右手でそれを彼女の大切な部分に押し当てると、大きく息を吸い込み、ゆっくりと彼女を浸蝕していく。
「く……、はぁ……あぁ」
生涯三度目の経験となるものの、挿入の締め付ける感覚には馴れそうに無い。
亀頭が吸い付くような微肉に包まれ、柔らかい締め付けでその形を変形させられるほどの圧力を受けると、すぐにでも射精に導かれてしまう気がする。
「ふぬぬぬぬぅ……えい、すけぇ……」
しがみ付く手に力が入り、ワイシャツのボタンが跳ぶ。
「力、抜いて、その方が痛くない……と思う」
自分は男だから破瓜の痛みはわからない。聞きかじった噂を振りかざすのは無責任だが、胸の中で苦しそうに呻く彼女に何かしてあげたい気持ちがある。
「ん、んうぅ……む、無理ですぅ、英助のオチンチン、太いですぅ」
他人と比べる機会はいまだないが、責められながら誉められるのは、妙な気分になれる。
「由美、あんまり力んじゃダメだよ。ゆっくり息を吸って……、吐いて……」
「すー……、はぁ……」
彼女は素直に頷き、英助の号令に合わせて深呼吸をする。すると、気のせいか、自身を取り巻く環境に余裕が生まれる。
ここぞとばかりに彼女を抱き寄せる。
汗に混じる女の香りは美奈とも多香子とも違う、甘さの目立つ匂いだった。
策謀渦巻く美奈のまどろむような甘みとも、スポーツで活発に汗を流す多香子の柑橘類を思わせる香りとも違う夢見る少女の甘ったるい匂い。
「身体、裂けちゃいますぅ……」
「もう少し、もう少しだけ、我慢して……、あとちょっとで一つになれるから」
「来てください、私の中、来てください!」
引き寄せる力が強くなる。物理的にも、精神的にも。
肌越しに鈍い音を感じると、一気に根元まで飲み込まれる。
陰茎の全身が媚肉に包まれる。刺激に貪欲な粘膜が平熱より高めの膣襞にもまれると、やけどしてしまうのではないかと錯覚してしまう。
「熱い、熱いよ、由美の中、すごく熱い」
由美の頭を掴む手に力が入ると、丁寧にブラッシングされた髪が乱れてしまう。濃紺のプリーツスカートが互いの身体に挟まれ、くしゃくしゃにされてしまうが、由美にはそれを意識する余裕がない。