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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第五話-3

「ふーん。じゃあすくちゃんとあの男の子はどういう仲なの?」

「えっ………どうって……ふ、普通の友達っすよ…」

「ほんと?なんかすくちゃんのあの男の子見る目が、他と違う気がしたからさー」

「そ…そんなことないすよ…」

「ふーん。じゃあさ、すくちゃんは誰か好きな人いるの?」

「あ…それは……。てかなんでそんなこと聞いてくるんですか?」

「いや…あ、あのさ……俺、すくちゃんのこと好きなんだよね。だから気になっちゃってさ…」

「えっ?」



勘弁してくれ!



「だからさ、あの…すくちゃんに好きな人いないんだったら、俺とどうかなーなんて」

「え…」

「ダメかな?だってあの刈り上げ頭の子も好きじゃないんでしょ?」

「いやー…その…」

「別に今すぐ俺のこと好きになってくれとか、そんなんじゃないよ。付き合ってから少しずつ好きになってもらえばいいしさ」

「あー…えっとー…」

「それこそさ、あの刈り上げくんなんかより俺の方が大人だし、多分金も俺の方があると思うし。つかまたあの刈り上げくんの話だけどさ、あの子いっつも目茶苦茶太いパンツでさ。今あんな太いの流行ってないでしょ。やっぱりタイトな方が今っぽいっていうかさ。変な頭だし。もっと普通の髪にすりゃいいのにな。でまぁ話は逸れたけど、俺と、どうかな?」

「………の」

「え?」

「あんた何なの!さっきから一人でベラベラ喋ってさ!鷹丸くんのこともさ、あんたに何が分かんだよ!太いパンツが何?流行ってなくたって、自分のスタイルを持ってるんだから別にいいじゃん!流行り流行りって…そんなもん気にしてるあんたなんかより鷹丸くんの方が百万倍カッコイイんだよ!変な頭だなんだってさ、じゃああんたが言う“普通”って何!?あんたみたいに似合いもしない茶髪なんかより全然素敵だよ!それに金だなんだってさ、そんなこと言ってる時点であんたどうしようもない!見た目も中身も鷹丸くんになんか敵うもんか!馬鹿!」

「おい!すくちゃん!?」

「えっ、あっ…店長…」

「どうしたのデカイ声出して…店の中まで聞こえてきたからさ…」

「あっ…いえ…あの…」

「おい広田、お前何かしたのか?」

「いや、僕は…………」

「何かわからねぇけどまだ営業中なんだぞ。店の中にまで届くような声出すなよ。すくちゃん、気をつけてくれって」

「はい…すいませんでした…」

「広田、お前もとりあえず気をつけろよ」

「あ、はい…」

「じゃ俺は中戻るからな」


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