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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第五話-4

その後といったら…。
私も広田さんも一言も話さず、ひたすら気まずい時間。

全く休まった気にもならず、寧ろどっと疲れてしまった。

それにしても、何であんなこと言っちゃったのか…。

広田さんが鷹丸くんのこと悪く言ったから?
別に私は鷹丸くんの彼女でもないのに…。

でも、ムッとした。
知りもしない赤の他人に鷹丸くんをどうこう言われたくない。
鷹丸くんは、ちゃんと自分を持ってるんだ。
流行なんか気にしてる広田さんなんかより…。



どうしようもない休憩を終えて店内に戻ると、そこには大海と鷹丸くんはいなかった。

まぁ、よかったな。
あんな発言本人に聞かれてたらもう…。



気怠いままバイトが終わって、私服に着替えて、そそくさと帰宅。
しようと思ってチャリを走らせてkiLLの前を通った時。

お店から一人の女性が出て来た。

その人も私に気付いたらしく、会釈された。

あれ?
誰だっけこの人…。
でもとりあえず挨拶だけはしないとと思って私もチャリを止めて挨拶した。

そしたら。



「あの、救ちゃん、だよね?」

「えっ…あ、そうです…けど」

「やっぱりねー。あ、私kiLLのスタッフの坂下清です」

「あ、清さん…」



この前の飲み会の時にずっと鷹丸くんの隣にいた美人さんじゃないすか…。
近くで見るとさらに綺麗だし…乳でけぇし…声まで可愛いし…。



「この前Freakで飲み会させてもらった時に、アルバイトしてたよね?鷹に聞いたよ。同級生なんでしょー?」

「あ、そうです。5月から同じクラスで…」

「あ、それより時間大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫です」

「じゃあ少しお話しない?私調度仕事終わったからさ、どこかお店入ろうよ」

「あ、はい…」



と、連れていかれた先は“arch”っていう名前のお洒落なオープンカフェタイプの立ち飲みのお店。
座っても飲めるし、立っても飲めるっぽい。
こんなお洒落なお店…鷹丸くんも来るのかな?


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