投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ふつう
【青春 恋愛小説】

ふつうの最初へ ふつう 4 ふつう 6 ふつうの最後へ

ふつう-5

「はい!えっと、鎌田大海です!よろしくです!…普通の質問なんだけど良いですか?」

「あー、良いっすよ」

「じゃあ…趣味とかあったら教えて下さいっ」



流石は大海。
安心するわっ。



「趣味っすか…。えーっと、音楽鑑賞、映画鑑賞、写真、洋服、廃墟見学、DJ、ドラム、哲学、裁縫……あと絵を描いたり。結構多趣味っす」



またまた意外な答えが羅列している。



「裁縫!?」

「絵!?」

「廃墟見学!?」



やはりざわついた。
結局皆気になるところは一緒なわけで、はたして多岐野くんが言う“普通”とは何なのか、早くも哲学的な疑問が皆の脳裏に過ぎった。
つかほんとにタメか!?



「凄い多趣味なんですねー…。じゃあ音楽鑑賞って出たんで、好きなジャンルとかってありますか?」



大海が続ける。
疑問点が多過ぎるが故の、最も安パイな質問なんだろう。
私が大海でも、そうするなー…。


「好きなジャンルすか…。オルタナ、グランジ、90年代中盤頃までのミクスチャー、シューゲイザー、プログレ、ポストロック、ハードコア、それ以外のUK・USロックも好きですし、オールドスクール、ミドル、ニュースクール、ギャングスタ、西海岸アングラ、トリップホップ、アブスト、ジャパニーズのアングラ、あとはWARPみたいなエレクトロとかテクノに、ダブ、ダブステップ、ドラムン、あとルーツレゲエに…とまぁ、そんな感じっすね」

「あ……ありがとうございます…」



流石の大海も、そしてクラス全員も、唖然としている。
これも予想を越えた解答。

多分皆は“もっと分かりやすいジャンル”が出て来ると思ったのだろう。
だけど違った。

正直、私に理解出来たのは……無い。
“そんな感じ”って、どんな感じよ!?



その後も何人かが続けて質問したのだが、そのどれもがこちらの予想を越えたもので、結果として余計に煙に巻かれたモヤモヤだけが残った。
質問に答えられれば答えれる程に謎は深まるばかり。


ふつうの最初へ ふつう 4 ふつう 6 ふつうの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前