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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-4

「……えーっと、今はいないんすけど、今までは確か8人と付き合ってきました。その全員とヤッてます。ちなみに初体験は小6っす」



おーっと多岐野選手、全く表情を変えずに軽々と日野を越えていきました!

日野のみならずクラス全員の予想を裏切る、初体験まで吐露した衝撃のアンサーだ。

この答えでクラス内に立ち込めていた曇り空は一転、快晴に。
良い意味でクラスがざわついた。



「小6!?はやっ!!」

「“確か8人”って…」

「8人って多くない!?」

「俺まだ彼女すらいねーのに…」

「すげーモテてんじゃん!」

「全然普通じゃねーな!」



皆それぞれにリアクションを取る。
日野のパフォーマンスでは一切リアクションを取らないオーディエンスが、ついさっきステージに上がったばかりのニューカマーに激しく反応した。

日野は



「あ…そ…そうすか…。あ、ありがとうございました…」



と、いかにもバツの悪そうな感じで席に座った。
恐らく付き合った人数もなにもかもが日野のソレを遥かに越えているのだろう。

ま、お前じゃしょうがねーよ…。



「えーっ、はるか年下のクセにあらゆる面で多岐野は俺よりレベルが高いなっ。あと他に誰か何かあるかー?」



軽くギャグを交えて秋先生が続ける。
日野、見習えって。

先程の多岐野くんの発言がきっかけでか、今度は何人かが手を挙げた。



「えーっとな……、じゃあ、大海」



いつの間にか大海が手を挙げていた。
まぁ大海ならまともな質問をしてくれるだろうな。


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