鎮魂(その2)-3
ぶるぶるとそのペ○スの先端が小刻みに収縮を始めたとき…
シュッ、シュッ…と、そのペ○スから射精が始まり、私は子宮に注がれる生あたたかい液体を感
じた。 射精を繰り返すたびにあの人のペ○スは、血液が流れるようにどくどくと膨らみを持つ。
そして肉襞の中をなぞられるような淫靡な快感に、私は確かにあの人のペ○スを感じていたのだ。
ホテルから眺める夜空と黒い海の境が、船の灯りなのか仄かな青い光を湛えている…。その灯り
が地平線を幻想的にゆらめかせていた。風が止み、静寂に包まれた地中海の闇は、私の心と体を
いつでも呑み込んでくれるようだった。
あの人と体を重ね続けた日々…乾いた夜風が淫猥に体を包み込むと、私はいつの間にかあの人の
ペ○スの記憶を際限もなくたぐり寄せていた。
あのとき、初めてあの人に掻き毟られた肉襞の血で染まった股間…
あの人に犯されたとき、私はまだ高校生だった。芸術家らしい豊かな頭髪、彫りの深い端正で優
雅な顔…すでに五十歳近くの年齢というのに、強靱そうな引き締まった肉体、そしてあの白いペ
ニス…そうだった…あのときから、あの人の体はすべてが欺瞞に充ちた虚像だったのだ。
…僕は、君を買ったんだ…と、そう言いながら、あの人は黒い鞄の中から、ずしりとした縄束
と鞭を取り出した。そして私のセーラー服を剥ぎ取り、下着姿のまま私を後ろ手に縛った。
そして、まだ薄い膨らみをもった私の胸を縄でキリキリと緊めあげたのだった。
…悪く思わないでくれ…僕の趣味なんだ…
そう言いながらあの人は、鋭く尖った登山ナイフを手にした。柄の部分に奇妙な爬虫類を象った
彫り込みをもったナイフのエッジが艶やかな光沢を放っていた。そしてあの人は縛った私の胸に
そのナイフをあてた。
…怖がることはないよ…その可愛い下着を裂くだけだ…
あのとき、あの人の瞳の中には、ぞっとするようなねばっこい陰鬱な光が漂っていた。そしてあ
の人は、ゆっくりと私の下着から突起した乳首に、その登山ナイフの先端をあてたのだった。
あの人は慣れた手つきで、ナイフを操るように私の乳房を撫で白い下着を少しずつ切り裂いて
いった。
あの尖ったナイフこそ、私とあの人との罪の始まりだったのだ…