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SFな彼女
【SF 官能小説】

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SFな彼女 -Sweet Face編--4

「え?」
「――誘ったわよ、悪い!? 本当は補習なんて嘘! 時間とらせて悪かったわね、私帰る!」
聞き返す俺に一気にまくし立て、立ち上がる榊。
教室から出て行こうとする榊の腕を、俺は掴んでいた。
「……離してよ」
「榊」
「離してよ!」
榊はヒステリックに叫んだ。
「わざわざ口実作って呼び出したりなんかして、悪かったと思ってる! だから……」
再びまくし立てる榊の腕を引っ張り、俺はその身体を抱きしめた。
「……あの時の感触がまだ残ってる」
俺の中で細い肩を震わせる榊。
「あんたに抱かれて、いやらしいことたくさん言われて……恥ずかしくてあんなの嫌だった筈なのに」
首を小さく横に振り、泣きそうな声で言った。
「もう一度抱いて欲しいって思う自分がいて……」
俺もまた眉間に皺を寄せ、口元を歪めながら言った。
「俺だって」
そして心の内で思っていたすべてを、榊の前に吐き出した。
「生意気でムカつくばっかりのお前な筈なのに」
「あの時のやらしい声とか、感触とか……忘れられねえんだ」
榊を強く抱きしめて言う。
「っつーか……それ以上にお前の存在ってのが」
俺の心の中の大部分を占めている、なんて台詞は恥ずかしくて言えなかった。
それでも、多分俺の気持ちはこいつに伝わったのだろう。
俺の胸の中で、榊は顔を真っ赤にさせた。
「梅本……」

俺は壁際に榊を押しつけた。
「……いい?」
それだけ、榊の耳元でそっと囁くように。
何が"いい"のかなんて、口にすんのは野暮だろ?
榊は何も言わずに、ただこくんと頷いた。
俺はその唇にそっと口付け――それからそろりと舌を挿入させる。
コーヒーに交じって何やら甘い香りが鼻を突いた。香水でも付けているのだろうか。
俺は左手でさらりと黒髪をかき上げる。
それから榊の腕を掴み、自分の首に腕を回させた。
おそるおそるといったふうに榊の腕が俺の首筋に絡みつく。
「んッ……ふ、んむ……ッ、んッ」
長いキス――榊が一瞬息を吸い込むのを機に、俺は榊の唇に噛みつくように吸いついた。
そして奴の舌を捉え、ざらざらとした舌を絡めていく。
先の方を吸えばびくりと榊の肩が飛び跳ねた。
しかし、暫くすれば榊の方からいやらしく舌を絡めてくる。
「もっと、欲しい……って?」
「はんッ……んむぅッ」
頭ごと壁に押し付け、更に口腔内を蹂躙する。
歯列を舐め上げ、舌を吸い上げ、唇を舐める。
二人とも口の周りが唾液に濡れていたが、それももうどちらのものなのか分かりはしない。
ちゅぱ、と唇を離す。
髪は乱れ、ズレた眼鏡に上気した顔の榊は何とも言えず艶かしく。
俺はその耳元で息をついた。
俺の吐息にすらびくりと反応する榊の身体は、敏感すぎるほどに敏感で。
俺の手が服の上から身体を撫でていくのに、いちいちびくびくと震えていた。
「やッ……あ……」
榊のスカートを捲り上げ、ゆっくり黒いタイツの上から腿を撫ぜる。
「やだ……ッ、や……」
「何が嫌だって?」
俺が耳元で問うと、榊は俺の肩に顔を埋めながら、耳を真っ赤にして言った。
蚊の鳴くような、か細い声で。
「じ、焦らさ……いで」
それが、スイッチだった。


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