Cure's CHOCOLATE-3
「哲希…」
だから、あんな笑顔になったんだ…。
アタシがやろうとしてることは、哲希にとって余計なお世話ってやつだと思う。思うっていうか絶対そうだ。
でもダメなんだもん!ジッとしてらんないよ!
「すまん、哲希っ」
ぶっ飛び女コノ子を許して!!
「でけ〜…」
あの子、静香さんの高校やっぱりでかい。
頭良い学校は違いますなぁ。
「おっ、おわわわわ」
上を見上げようと体を反らし過ぎたアタシはベチャッとしりもちをついた。
「イテテ…」
たくさんイタい視線を感じるけど気にしない!
起き上がってパンパンとスカートの埃を落とした。
他校の校門の前で仁王立ちでアタシは静香さんを探した。
20分ぐらい白い目で見られていると玄関から静香さんが出てくるのが見えた。
「しぃずぅかぁさぁ〜んっ!!」
びくっとして立ち止まる静香さん。突然大声で名前を呼ばれりゃ当然か。
アタシは静香さんの元へダッシュした。
「誰?」
うぅ、覚えられてない…。
「昨日、ボーリング場で哲希と」
「哲希?あ〜あ!思い出した。どうしたの?私に何か用?」
待ってましたその言葉!
「ちょっと聞きたいことがありまして…」
静香さんとアタシは適当にファーストフード店に入った。
静香さんはポテトと烏龍茶、アタシはハンバーガーセットを頼んだ。ついでにオマケのおもちゃもしっかりいただいた。
「で聞きたいことってなぁに?」
ポテトを頬張りながら静香さんは首を傾げた。
心の底から綺麗な子だと思った。哲希の一目惚れも頷ける。
「あの、どうして哲希と別れたんですか?」
「ん?」
静香さんは目を伏せた。
「好きな人がいたから」
「それって哲希のことでしょ?」
「ううん、違う人」
「違う人?」
「私ね、哲希と付き合う前にね、好きな人に告白してフラれたの。サッカー部の子だったんだけどね」
アタシはこくんと相槌を打った。