「demande」<槙惣介>-16
ぼー…っと呑気に見とれていると、今度は自分の服に手がかかっていることにハッとした。
どんなに無知でも、服を脱がなきゃならないことくらいわかってる。
見た瞬間…どう思うんだろう…。
ガッカリしないかな。
私はどんな顔していればいいのかな。
惣介がどんな顔するのか気になるのに、目が開けられないよ…。
一つ一つ、丁寧にボタンを外していくと、開(はだ)けた前から薄いキャミソールが見えた。
ブラウスの上からはわからなかったが、こうして薄い布一枚になるとよくわかる。
それはとても形良く、大きめの双丘。
視覚から得られた情報に、惣介の鼓動は跳ねる。
「あ、あんまり見ないでよ…!」
「すみません。あまりに美しいので言葉を失いました」
「なっ…!どーしてそうゆうこと…」
「でも」―――と言葉を遮り、
―もっと知りたい―
と囁いた。
スルっと手を忍び込ませ、腹部を優しく撫でると、その手は上へ。
下着の上から桃のような胸をゆっくりと揉みだす。
「やっ!!あ…、や、やだ…」
蚊の鳴くような声で抵抗してみせたが、惣介には伝わらない。
伝わっていたとしても、「止まらない」と言った以上、主張は通らないとでも言うように
揉まれている手はやめることをしなかった。
心臓に一番近い部分…そんなとこ触られていたら、鼓動が伝わってしまう…。
柔らかいそれは惣介の手によって形を変えられ、羞恥と共に高揚感が高まる。
自分がこんなことをされてる…そんな主観と、キャミソールの中が蠢いているのを見て、
とてもイヤらしいものを見ているような客観…。
惣介にキャミソールを捲られ、下着に包まれた胸を露にされたときは、さすがに羞恥が勝ってしまい
腕全体で覆い隠してしまった。
「…やっ、は、はずかし…い」
恥じらいは――、時に最もそそられるスパイスとなる。
惣介は彼女に覆いかぶさり、全身をすっぽりと腕に収めると、
「…私を煽っておられるんですか?あんまり焦らされると、優しくできませんよ?」
と耳元にキスをする。
不敵な笑みにも見えるその表情に、色気まで感じてしまい、七香の小さな抵抗は徒労に終わった。
惣介はそっと七香の腕を解き、ブラを一気に捲る。
「やっ!!」
「…キレイな肌だ」
ゆっくり時間をかけようと思っていたのだが、意外と余裕がなくなっていたのか、
両手が本能のままに動く。掴むとそれは指の形にへこみ、中央だけが際立つように張りを持つ。
それを人差し指で突くと、彼女の体はピクッと反応した。
そのまま弄り続けると、その反応は次第に大きくなってゆく。