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連鎖
【ホラー その他小説】

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連鎖-3

『どうした。』
『この本昨日燃やしたんだ。それなのに、また復活してたんだ。』
『何言ってんだよ。あり得ねぇだろそんなの。』
『俺も信じられないさ。でも、本当に昨日燃やしたんだよ。』
宮原は必死に訴えた。
『分かった。そこまで言うならオマエを信じるよ。』
そう言って、英義はどこかへと去っていった。宮原はその後、本を手に取った。すると、またあのシミが復活していた。まだなんなのか分からない。でも、自分の名前が出てくれば、自分は確実に死ぬだろう。さらに宮原は怯え、このことをみんなに話した。すると意外な答えが返ってきた。
『わかったからさ、近づくんじゃねぇよ。』
宮原は、えっ?とした顔をした。
『え?じゃねぇよ。オマエが死ぬかもしれないときに、俺らに近づいたら俺たちまで死んじゃうじゃん。』
宮原は予想してなかった。まさか、祥太達が自分を仲間はずれにするなんて。その中には英義もいた。英義だけは友達だと思っていたのに。残念だったが、諦めるしかない。
『分かったよ、もう、関わらないから。』
そう言って、静かに宮原は去っていった。
次の日、宮原はいつも通りに登校した。たいして表情も変えず、普段通りのテンションで過ごした。ただ一つ変わってるのは、いつもいるメンバーとは過ごさないこと。
そんなとき、英義が話しかけてきた。
『ゴメンな。』
『何が。』
『俺が、みんなに本のこといろいろと話したんだよ。燃やしてもなくらないこととか。』
『いいって。』
『もう、これからはさ、絶対に宮原の味方だから。』
宮原は嬉しかった。自分が死ぬかもしれないときに、仲間外れにされた俺に仲間が増えたことは、何よりも嬉しいことだった。
『だからさ、明日から調べようよ、本のこととか。』
『うん!』
そのことによって大きく救われた宮原は一日中ニコニコしていたと言う。
次の日、英義達は、残念な知らせを受けた。
一緒に頑張ろうと言った矢先だった。まさか宮原までもが死んでしまうとは。これを境に先生は海斗の死も告げた。生徒は全員泣いていた。祥太達も泣いていた。近づくなとか言っていたが、いざ死んでしまえば悲しいものだ。
先生はこの二人のことを聞いて、本を預かることにした。第三の犠牲者は誰になるのか。もうここで終わりとなるのか。
しかし、この話を先生は未だに信じてはいなかった。こんな事のせいで生徒が死んでいくなど耐えられない、と思っている。
『どうするよ、今度はあいつが死んじまうぞ。』
祥太はいままでとうってかわったように慎重だ。
『もう二人も死んだんだ。これ以上犠牲者を出すわけにはいかない。』
『じゃあどうする。』
慎ちゃんは他の人に頼りっぱなしだ。
『ばかばかしい。何信じてんだよ。やるなら勝手にやれ、俺は抜けるよ。』
西田は、信じている俺たちを馬鹿みたいだとはねのけ、一緒に行動するのを拒んだ。
『もう二人も死んでるんだよ!ばかばかしいなんて言ってられないんだよ!!』
『だったらなおさらだよ。俺はこんなところで死にたくはない。じゃあ、勝手にがんばれよ。』
あざ笑うようにして西田は去っていった。残ったのは祥太、麗亜、英義、慎ちゃん、野口の五人になった。
正直、この五人で調べていくのは難しかった。たいして五人とも頭がいいわけではなく、発展がきかない。これからどうするかさえも浮かばなかった。そんな状態で事が進むわけがなかった。
だが、どうにかしたいという気持ちは変わらなかった。これ以上の犠牲者は必要ないと、何としても阻止してみせると。
そのためにはまず、先生に真剣に考えてもらう必要があった。
『先生、ホントにその本は危ないんです!』
『分かった、分かった!気をつけるから!!』
先生はあまり話を聞いていないようだった。


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