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連鎖
【ホラー その他小説】

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連鎖-2

次の日、海斗は学校には来なかった。すると、先生があわててやって来た。
『すまんが、自習をしててくれ。』
と言い、
『宮原、ちょっと来てくれないか。』
そう言われ、宮原は不思議な顔をしながらついていった。すると、先生は言った。
『おまえは岡本と1番仲が良かったよな。だから、オマエには言っておく。』
宮原はつばを飲み込んだ。
『いいか、よく聞けよ。朝、岡本が変死体で見つかった。』
意味は分からなかったが、大体見当はつく。とても信じられなかった。あいつが死ぬなんて。あり得ない。昨日まであんなに元気だったのに。
『部屋に血だらけで倒れていたそうだ。』
頭の中で、いろんな思いが飛び交っていた。今まで海斗と話したこと、海斗と馬鹿笑いしたこと。全てが頭の中で錯誤し、これからは海斗とじゃれ合えない事を受け入れられずに、一人、混乱に陥っていた。
『もう、、、会えないんですか?』
『もう、いないんだ。』
『あいつは死んだんですか?』
先生は、小さくうなずくだけだった。先生のその素振りからも、海斗は本当に死んだんだな、と痛感した。そして、その思いと共に涙があふれ出てきた。
『そう言うことだ。みんなにはまだ言うな。』
『分かりました。』
宮原は渋々返事をし、先生が行った後全身の力が抜け、そこにバタリと倒れた。

目を覚ますと保健室にいた。ドラマでよく見るパターンだ。しかし、何故海斗が。何故かそのときは冷静でいられた。一度気を失ってから落ち着いたようだ。
悲しかったが、あの本に対する恐怖が出てきた。宮原は急いでみんなの元に行き、事情を話した。
『こないだ見たあの本覚えてるだろ?』
『あの意味不明な本?』
祥太が聞いた。
『そうあの本。あの本やっぱり変だったんだ。』
『何が。』
『あそこに海斗の名前が血で書かれてたんだよ。そしたら、今日の朝死んでたって。』
『何言ってんだよ、誰が死んだって?』
『海斗だよ。』
『海斗ってあの海斗?』
慎ちゃんがおそるおそる聞いた。
『そう、あの海斗。』
全員あっけにとられていた。慎ちゃんなんかは悲しそうな表情しかしてなかった。
『何だよそれ、わけわかんねぇ。』
『このことは誰にも言うなよ。』
『分かった。』
宮原は一旦教室に戻った。すると、海斗の机に一冊の本があった。それは、あの「死」の本だった。宮原はそれを手に取り表紙を見た。すると、そこにはもうシミらしきものは何もなかった。
『こんなもの!』
と言って、宮原は本をゴミ箱に投げ捨てた。泣くのをこらえながら、席に戻り、授業を受けた。宮原は授業の内容は頭には入ってなかった。悲しさで一杯で、何も頭に入らない。そんな状態で一日を終えた。
次の日、宮原は驚いた。自分の机の上には、昨日捨てた本が置いてあった。
『誰だよこんな所に置いたのは!』
もちろん宮原は誰かが置いたんだと思っていた。しかし、誰も名乗りでなかったため、いたずらでやったのだろうと、今度は焼却炉で燃やすことにした。本を細かくちぎり、投げ捨て、火を付けた。もう、災いは起きないだろう。海斗のためにも、そうしたかった。
すると次の日、またもや宮原は驚いた。何と、昨日燃やした本が復活し、宮原の机の上にあったのだ。
『あり得ないだろ。だって、燃やしたんだぞ。』
宮原が明らかに怯えた顔をしていたので、英義が話しかけた。


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