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連鎖
【ホラー その他小説】

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連鎖-4

次の日、予想していたように、先生が死んだ。驚きはしなかった。が、悔しいと共に悲しいという感情しかなかった。
そのあと、英義達は教室に戻り、先生の机を見た。そこにはシミなんてないあの本があった。それを女子が興味本位で見ようとしたのを見て、祥太が取り上げ、それを外に投げ捨てた。
『あ。祥太、、、オマエ。。。。。。。。』
『あ。。。。。。大丈夫だろ別に。』
みんなはしんと静まりかえっていた。
『何だよ大丈夫だよ、そんな簡単に死なないから!』
みんなはそんなテンションではいられなかった。それは祥太も同じだったのかもしれない。でも、祥太はそんなのは気にしてないフリをしていた。少なくとも、自分だけは怖がった顔をしたくはなかったんじゃないだろうか。
『祥太、そんなことは言ってられないって。』
『そうだよ、こんだけ人が死んでるんだ。ちゃんと考えなきゃ、、、』
麗亜が言い終わるのを待たずに祥太は返した。
『じゃあ、どうにかできんのかよ。俺が絶対に死なない方法なんてあるのかよ!!』
自分が死ぬかもしれないということが、これほどまでに人を狂わせるとは。
『わかんねぇよ!!わかんねぇから一緒に頑張ろうとしてるんじゃねぇかよ!』
英義は、祥太のことが大切な存在であるからこそ強く言った。もちろん、ここにいる連中全員だが。そんなとき、慎ちゃんが言った。
『みんなは祥太のことを思っているからこそ、こんだけ強く言ってんだよ。』
一対四みたいになっているが、決して祥太が嫌いなわけでわない。
『分かったよ、じゃあどうする。』
『今日の放課後に話し合おう。このことは誰にも。』
麗亜の言葉に全員が頷いた。そしてこのとき、野口だけが口を開かなかった。
そして、放課後の話。英義と麗亜以外の三人は二組だったため、英義と麗亜は三人を待っていた。
二組の短学活がおわり、三人が出てきた。五人は合流した後、一番下の踊り場にたむろした。
『さてと、どうするよ。』
麗亜が切り出した。
『本は?』
『上にあるよ。』
『置きっぱなしにしてたら誰かがさわっちまうんじゃねぇの?』
『でも、さわったらダメだろうが。』
『そうだけどさ、そのまんまだと何も解決できないぞ。』
慎ちゃんは怯えていたはずなのに、いつの間にかやる気になっていた。
そんな中、祥太の様子がおかしかった。一言も喋らず、体の力は全て抜けきったようにダランとしていた。と思っていたら、急にすくっと立ち上がりどこかに歩き始めた。
『どうした祥太。』
麗亜の問いかけにも応じない。明らかに様子がおかしいことで、とっさに危ないと思った麗亜は、祥太を止めようとした。
『祥太!!』
ガッと祥太の腕を掴む。すると、祥太はゆっくりと麗亜の方を向いた。だが、その振り向いた祥太の顔は今までと明らかに違っていた。生の気が感じられないような、誰かを呪い殺すような顔をしていた。
『どうしたんだよ、祥太。』
麗亜は怯えつつも言った。すると、その直後にとんでもない光景を目にした。
『おい、麗亜!!!』
『うああああああああ!!!!!!!』
みると、握った腕からどんどん黒く固まっていた。黒い物は、足や胸にも上っていき、やがて全身を覆い尽くしてしまった。
『おい、、、、、麗亜?』
英義が話しかけたが返事が返ってこない。ぴくりとも動かない。麗亜は、まるで銅像のように黒く固まってしまったのだった。
捕まれた腕をへし折った祥太は、そのままゆっくりのそっと歩いていった。英義達三人は祥太の後をゆっくりと追いかけた。見ていると、祥太はすっとトイレの方に入り込んだ。英義達はゆっくりとトイレの方を覗き込んだが誰もいない。どこに行ったんだ、と思った直後に変な音がした。


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