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連鎖
【ホラー その他小説】

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連鎖-1

『今日、図書館いこっか!』
と、宮原が提案した。
『別にいいよ。』
海斗が気のない返事をした。
『でも、何しに行くわけ。』
『なんか怖い本探そうと思ってさ。』
宮原は怖い本が大好きだった。いつも怖い本ばかり読んでいる。
『分かった。』
2人は図書館に行くことになった。
図書館に着くと、早速宮原は本を探し始めた。図書館には、自分の借りたい本があるか調べられる機械があり、そこで調べ始めた。はじめは知っている作家を入力して、適当におもしろそうな本を印刷していました。4つくらい印刷した頃に、海斗がいきなり適当に押し始めました。すると、適当に押したのは「し」という字で、すぐに検索を押してしまい、ずらっと出てきた。
『勝手に押すなって!』
『おい、見てみろ、「死」って本があるぞ。』
『なんだこれ?』
そこに出てきたのは、「死」という本だった。宮原にとっては興味深い本だった。しかし、題名がストレートすぎるので、面白くないかもしれない、とも思い始めていた。
そんな矢先、ふと見るとこれは1940年の者であることがわかり、古すぎると言うことで少しビビった。すると、海斗が勝手に印刷ボタンを押してしまった。
『オマエ何してんの?』
『だって面白そうじゃん。』
海斗は笑いながらそう言った。
『オマエ馬鹿か。』
『借りてきてくんない?』
『なんで俺がオマエの借りなきゃなんないの?』
『お願いね。』
海斗は紙を渡してどこかに行ってしまった。
仕方なく借りることにした宮原は、フロントで自分の借りたい本と、海斗が借りようとした本を探して貰った。
『すいません、こちらの本が見あたらないので。』
と、宮原が借りたかった本が一冊借りられなくなってしまった。どうせなら、海斗のが見つからなければ良かったのに。
宮原の借りたい本と海斗の借りたかった、「死」の本が出てきた。宮原の借りたかった本は普通の本だった。しかし、「死」の本が出てきたときには驚いた。何ともまぁ、ドラマで見るような大昔の資料みたいなもんだった。一応中身はパソコンで打ち込まれているみたいだが、表紙は手書きだった。筆で、「死」と書かれてあるだけ。それ以外には何もなかった。
それを笑いながら海斗に見せると、海斗も一緒に笑った。何故かその本だけで、5分も笑っていた気がする。その後、すぐに宮原と海斗は帰り、明日学校に持ってきてね、と海斗が言ったので、宮原は次の日学校に持ってきた。
みんなに見せびらかすようにすると、みんなも笑っていた。その話で大いに盛り上がり、宮原と海斗は大満足だった。
次の日、今度は海斗が学校に持ってきた。海斗は喜んでカバンから出したみたいだったが、すぐに表情が変わったのが分かった。
『どうした?』
宮原が問いかける。
『こんなシミ昨日あったっけ?』
と言って、本の表紙を宮原に見せてきた。
『おまえが何かこぼしたんじゃねぇのかよ。』
『でも、何か赤いからさ。俺じゃないと思うんだよね。』
確かに、よく見てみるとそのシミは赤かった。しかし、考えすぎだろうと言って、気にもとめなかった。海斗にも、気にすんなよ、と一言だけかけておいた。
海斗は次の日も持ってきていた。そして、昨日のシミは昨日より大きかった。これにはさすがに宮原も言葉を失った。
次の日も、その次の日も、どんどんシミは大きくなるばかりだった。そして、そのシミの正体がだんだんとハッキリしてくる。そのシミはやがて、ハッキリと「岡本海斗」と血書かれていた。
海斗は怯えていた。自分に何が起こるんだと。何か嫌な予感がしてきてたまらなくなっていた。一時期はその本を捨てようともしたみたいだったが、不吉なことが起こりそうだったので、放っておくしかなかった。


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