「瓦解する砦」-6
「そんなぁっ」
舞は泣き声を上げる。
「泣かれても私は錠の鍵を持っていませんし。まぁ、お手伝いくらいはして差し上げますよ」
九木の手が舞の膝にあてがわれた。
長時間、同じ体勢を取り続けていたため、舞の足は最早感覚を持たない。
ガクガクとした膝を曲げられ、舞はしゃがんだ格好に姿勢を直された。
「では、どうぞ」
九木の素っ気ない声がかえって舞の羞恥を煽り出す。
「そん…なぁっ」
顔が火照るのが自分でも分かった。
「今更、恥ずかしがってどうします。楼主様が世話が焼けると仰っていたのは本当ですね。どれ…」
次の瞬間、舞は膀胱に圧迫感を感じた。
九木が舞の膀胱を力強く押したのだ。
次いで尿道を刺激され、舞の尿意は限界を超えた。
チョロチョロとこぼれだした尿は次第に勢いを増し、綺麗な放射線を形作る。
「ふぁっ…ひぃっ…ひっく…」
誰にも晒したことのない痴態を見られて舞の口から嗚咽が漏れる。
「泣いてどうします?ここでは誰も助けてはくれませんよ」
容赦ない九木の声が舞を打つ。
しかし、一度流れ出したものは尿であれ涙であれ容易には止まらない。
そして、何かを放出するにはそれなりの快感と解放が伴うものだ。
「ついでにイクのもお手伝いしましょうか?」
揶揄するような九木の声に舞はかぶりを振る。
何であれ、これは自分で蒔いた種だ。
刈り取るのも自分でやらなくてはならない。
「上等」
九木の声が初めて熱を帯びた。
「では、これは私の方から楼主様にお返ししましょう」
九木は、舞の胎内に手を延ばすと唸りを上げる玩具を抜き取る。
「後2人ほどで、本日お越しになる予定のお客様は終わりになります。それまでは、どうぞお気を確かに」
九木の気配が去ると同時に舞の肩から力が抜けた。