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双子月
【学園物 官能小説】

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双子月4〜葉月〜-2

「は〜い、じゃあまたあとで〜。」

「クラブの人?」

「そう、DJの高野さん。葉月!なんか今日ブースこないかって〜!拓海さんもいるって〜。」

「うそ!いいの?行く行く〜!」

拓海に会える。葉月は一気に笑顔になった。こんな笑顔を見せるのは、拓海のことでだけだ。
拓海の話をしているときの葉月は一番いい顔をしていると朋香は思っていた。だからか、朋香は拓海が出る日は決まって葉月を誘う。まして、今日はそばに行けるとあって、葉月は初恋をしている女の子のように嬉しそうな笑顔を見せた。

朋香は葉月と一緒になって笑った。


・・・・・


昼休みのあの電話から葉月はずっとそわそわしていた。
何をしていても落ち着かず、なんだか浮かれていた。
いつもより服装やメイクも念入りにチェックして、早めに街に出た二人は、足取りも軽かった。

「朋香。」

クラブに着くと外で男が待っていた。

「あ、高野さ〜ん。」

朋香と仲のいいDJの高野だ。
朋香は手を振りながら走り寄っていく。

「待っててくれたんですね。」

朋香の嬉しそうに弾んだ声に笑みを浮かべ、葉月は後から追い付いた。

「こんばんは。」

葉月があいさつすると、高野は笑顔で軽く片手をあげた。

「こんばんは。葉月ちゃん、朋香もサンキューな。行こっか。」

高野についてクラブの階段を降りて行く。通いなれた暗めな照明の階段は、いつもよりも長く感じられた。

カラン・・・ギィ

「ようこそ〜。」

高野がおどけたように言うと、ドアをあけてくれる。迎えいれてくれた店内は、客の姿はまだなく静かだった。今日はこれから開店らしく、店のスタッフは準備で忙しそうに動いている。

「朋香はちょっとこっち手伝ってくんない?葉月ちゃんは先にブースに行っててもらえるかな?」

高野もこれから準備に加わるらしい。朋香は「は〜い」と返事をすると高野の後をついて行ってしまった。
ひとりになった葉月は、何気なくあたりを見回し、ふとブースを見上げる。すると、人影が目についた。

拓海だった。

その姿を見ただけで、ドクン、と心臓が高鳴る。

葉月は急いでブースへと向かった。そこでは拓海が一人で準備をしている。
背が高く、細身な拓海はよく日に焼けている。サーフィンをしているのだと聞いたことがある。低く音楽を流しながら手際よく作業している姿はなんだか楽しそうで、葉月にはきらきらしているように見えた。


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