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双子月
【学園物 官能小説】

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双子月〜美月〜-1

天気の良い午後。授業中の高校の校内は静まり返っている。

日本史の授業を受けていた美月(みづき)は、ついウトウトしてしまう。窓際の席はぽかぽかな日差しが心地よく、眠気を誘うのだった。

(あ〜眠い・・・)

眠気を払拭しようと、軽く頭をふり、ふと外に目をやると、向かい側の校舎の屋上に人影が見えた。

(葉月?)

屋上にいるのはどうやら双子の妹の葉月(はづき)だ。

美月と葉月は一卵性双生児で、顔も姿も瓜二つ。しかし、二人がまだ小さい頃に両親が離婚し、美月は母に、葉月は父に引き取られ、別々に育った。別れてから一度も会うことはなかったが、進学した高校で二人は再会したのだった。

入学式の日、お互い驚いた。まさか同じ高校に入るなんて。

美月は今年の入学式で新入生代表を務めた。中学のときの成績も良く、明るい性格の美月はまわりの人からも愛され、友達も多かった。
一方、葉月は入学式すらサボっていた。性格はすっかり荒んでしまったようで、小さい頃の素直だった葉月の面影はすでに失っていた。

(葉月、またサボってる・・・)

美月は小さくため息をつき、屋上の様子をうかがっていた。

(・・・?)

屋上には誰かもう一人いるようだ。

(!!)

葉月がフェンスに詰め寄られている。背中をフェンスに押しつけられる格好でもがいているのが見えた。

(葉月!)

美月は居ても立ってもいられず、立ち上がると「すみません!体調が悪いので保健室いってきます」と叫び、教室を飛び出した。

悪い想像が頭を巡る。いくら変わってしまったとしても、血わけた双子。大切な私の片割れ。
美月は静かな校内を構わず急いだ。

階段を駆け上がり、屋上のドアに手をかける・・・

「ゃん・・・焦らさないでよ、センパイ。」

(葉月?!)

ドアを少しだけ開けて様子を伺う。かすかに見える先には、制服のブラウスをはだけさせ、胸を露にしている葉月と、その胸を触っている男。

甘ったるい葉月の声。声音に美月が想像したような緊迫感は無く、甘えた女の声だった。

「こんなとこでスルなんて・・・学校も悪くないかも。」

葉月は、きゃはは。と笑いながら悦んでいる。


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