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嘆息の時
【その他 官能小説】

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嘆息の時-12

ついにやってしまったか……ベッドの音と共に、断続的に聞こえてくる愛璃の声。
柳原は、暗闇の淵に落とされたような錯覚に陥った。
愛璃と沢木に募っていく不信な気持ち。だが、悲しいことにペニスは勃起したままだ。柳原は耳が押し潰れるほど壁に頭をつけ、気が狂ったように自身のものを扱きたくった。
両頬には涙が伝っていた。

沢木は、愛璃の身体を四つん這いにして腰を振っていた。
丸い大きな尻をムンズと両手で掴み、腰を前後に大きく振りながら怒張の抜き差しを行っていく。
背後からズンッと突かれるたびに、愛璃は顎を上げながら切ない声を漏らした。
まさかそれが柳原に聞かれているとは夢にも思わず、ヒップから叩きつけられてくる男の劣情に総身を悶えさせつづけた。
室内に鳴り響く、結合部分からの卑猥音。それが二人の淫情をさらに高めていく。
沢木が、ペニスを突き込みながら上半身をかぶせてきた。
腕を伸ばし、大きく揺れている乳房を掴みとる。
張りのある若いバストを丹念に揉みしだいては、先端の淡く色づいた突起物をキュッと摘んでコリコリと扱いた。
「あっ、いやっ……んんっ……」
シーツをギュッと握り締めながら、愛璃がピーンと背中を仰け反らせていく。すでに愛璃の絶頂を二回は見ている沢木は、これが絶頂前の合図だということを咄嗟に判断した。
沢木が、手に掴んでいた乳椀をパッと離す。そして、再び尻を掴んでから力強く腰を叩きつけていく。
「あっ……んっ……んくっ」
上半身を伏せ、豊満なヒップだけを高く突き上げていく愛璃。
突き入ってくる強靭なペニスが、膣壁に怒涛の摩擦をくれるたびに巨大な愉悦の波が肉体を飲み込んでいく。沢木もまた、愛璃の大きな尻の狭間でヌチャヌチャと出入りを繰り返す自分のペニスを見ながら、込み上げてくる性の吹き溜まりを感じていた。
「あっ、だめっ……あっ、あああぁぁ」
「んぐっ、俺も……イク!!」
沢木のペニスが、秘壺を何度か深くえぐってから勢いよく抜かれた。

ビュビュッ、ビュルルル―――

上気した尻の上に、おびただしい量の汚濁汁が噴射されて付着していく。
焼けるような汚濁液の熱をヒップに感じながら、愛璃は三度目の絶頂に身を焦がした。


その夜、柳原は一睡もできなかった。
愛璃がマンションを後にしたのは朝方だった。
愛璃は、帰るまでのあいだ、ずっと沢木と一緒の部屋にいた。
ただひとり、不気味な興奮に苛まれながら、ひたすら寝たふりをしていた柳原。
苦しくて、辛かった。それなのに、二人の痴態を盗み聞きしながら三回も発射してしまった。
無造作に散らばっているティッシュを拾い、ポケットに入れる。

情けない……。

柳原は、沢木が寝ている隙にこっそりとマンションを出た。
口をつく嘆息は、一体いつになったら治まるだろうか……。
燦々と輝く太陽がなんとも羨ましくて、おもわず泣けてきた。
公園のベンチに腰を下し、大きく溜息をついて俯く。
沢木が悪いわけじゃない。分かっている。ましてや、愛璃を恨むなんてとんだ筋違いだ。
俺には、沢木以上にチャンスがあった。
そう、いま思えば、愛璃は沢山のチャンスをくれていた。
それに気付かなかった俺が馬鹿なだけだ。いや、もし気付いたとしても、俺にはどうすることも出来なかったんじゃないのか?
柳原は、自分の不甲斐なさに苦笑いを浮かべた。
「おじちゃん、リストカットされたの?」
いつからそこに居たのか、眼の前には小さな可愛らしい女の子が立っていた。


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