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嘆息の時
【その他 官能小説】

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嘆息の時-11

別室に移動し、全裸になり、いまベッドの上でお互いの体温や匂いを感じとっている。
今の沢木と愛璃の頭からは、柳原の存在などまったく消え失せていた。
愛璃の尻に舌を這わせながら、ときおり片眉をつりあげて呻き声をあげる沢木。
怒張をすっぽりと咥え込んでいる愛璃の口が、そのふくよかな唇で肉幹を摩擦するたびに峻激な痺悦感が背骨から駆け上がってくるのだ。そればかりか、エラの裏側にある縫い目に濡れた舌がツツーッと滑り降りたり、そのエラ自体をカポッと咥えこんで舌を絡めてこられると、もう射精感すら込み上げてくる。沢木は、それを必死に堪えながら愛璃の秘部を愛撫しつづけた。
「んああっ……」
愛璃の口がペニスを吐き出し、背を反りながら振るえるような声で喘ぎを漏らす。
沢木の唇は、鋭敏なクリトリスを咥えこんでいた。
唇で柔らかく秘豆を揉みながら、秘裂に突きたてた指で膣壁をゴシゴシと擦りたてる。
「嫌ッ……だ、だめっ……」
悲痛な叫びをあげながら、愛璃の顔が勃起棒を押し倒しながら沢木の股間へと沈んでいく。
クリトリスを基点とした鋭い電流が、愛璃の脳へ激烈に突き刺さっていた。
沢木は、口の中でクリトリスを揉み転がしながら、秘裂から抜いた指をアヌスに突きたてた。
その、セピア色の可愛いアヌスを少し揉んでから、秘唇に滴っている蜜を指先に掬いとり、視線の先にある小さな窄まりへたっぷりと塗りつけてやる。
「はっ、嫌ッ……ああっ……」
不意に排泄器官を弄られ、咄嗟に逃げようとするが身体が動こうとしない。それは、クリトリスにもたらされている強烈な快美感によって、意思の伝達を途中で遮られているかのようだった。
アヌスに突きたてられた沢木の指は、わりかしスムーズに窄まりへと入っていった。
愛璃に嫌悪感が湧かぬよう、舌先でころころと秘豆を転がしながら慎重にアヌスを弄っていく。
埋め込まれた指をギュウッときつく締め付けてくる凄まじい吸着力。
少しベタつき感はあるが、その独特の感触は魅力に満ち溢れていた。
「あっ、ああっ……」
アヌスに挿入した指をゆっくりと少しずつ上下に動かしながら、クリトリスに軽いキスを浴びせていく沢木。
尻に埋め込まれた指を快美に捉えだしてきたのか、愛璃のヒップが小さく小刻みに震えだしている。
それは決して嫌悪感を表すものではなく、先ほどの絶頂を迎えたときの様子に似ていた。
沢木は、舌をベロッと大きく広げ、腹部分をクリトリスにグッと押し付けてから慌しく揉みこんだ。
「あっ、んんっ……だめっ……イク……んっ……んはっ」
美貌を左右にねじっていく愛璃。
排泄器官を弄られているのに、そこからもたらされるのは猛烈な愉悦ばかりだった。
わななく唇から、熱っぽい吐息が小さな喘ぎと共に吐き出されていく。
愛璃は、濃艶な裸身をひときわ大きく仰け反らせた。そして、優美な下肢をガクガクと痙攣させた。

柳原は、隣の部屋から聞こえてくる愛璃の声に、心臓を破裂させんばかりに昂ぶらせていた。
信じていても裏切られる……まったくもって不条理な感情だと、柳原自身は分かっている。
しかし、あまりにも無情な出来事だった。
店の中ではアイドル的存在の滝川愛璃。
類まれな美貌とスタイルにも驕ることなく、どこまでも清楚で真面目な性格は誰からも親しまれていた。
店長として、絶対に店の女の子には手を出してはいけない……これまでずっと固く守り通してきた事も、滝川愛璃の前では脆くも揺らいでしまった。
この恋は、大事に大切にしていこう―――そう思ったことが間違いだったのだろうか。
どのみち、悔やんでも見ても後の祭りにしかならなかった。
耳を澄ます柳原のもとに、激しいベッドの軋み音が聞こえてきた。


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