桜の木の下で-7
「はっ!」
あたしが目を開くとそこに結城先輩はいなかった。そりゃそうだ……あれはもう3年前。あたしが中2の時の思い出……いや、思い出したくはない過去。
あの後、同じように無理矢理に近い形で2回セックスした後、結城先輩が言ったあの言葉は今でも忘れられない。
「やめやめ、やっぱやめ。」
「え?」
「だってお前いつまでたっても感じねえし。告白されたから付き合ってやったけど、付き合うだけ無駄だわ。」
「そ……そんな……」
「じゃあな。もう連絡してくんなよ。」
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結城先輩……人を好きになったらこんなに辛くて、こんなに痛い思いをし続けなきゃならないんですか?
あたしの頬を涙が伝う。
また見てしまった……あの夢を……
今日確認したはずなのに……好きな人と抱き合うことがとても幸せなことだって……でもサチは特別だったのかもしれない。やっぱり……やっぱり男の人は怖い……信じられない……
そう、だからあたしは、男を「客」としてしか見ないようにしてる。フェラだけにして、身体も触らせない。
そう、あたしは男なんか信じないんだ。
決して……もう決して……
あたしはギュッと目を瞑って他のことを考えてみようとする。
だけどいろんなことが頭の中をぐるぐると渦巻いて、どうも今日は眠れそうにない……。
苦しい……助けて……タスケテ……ダレカ……
<4.逃避>
ダメだ……眠れない。
時計を見たら深夜2時半……明日日曜日で予定もないとはいえ、眠れないのは辛い……
こうなったら身体を疲れさせるしかない……
あたしは布団の中でパジャマを脱いだ。
寝るときにブラはつけないから下一枚だけ。
あたしは、今日のサチとのえっちを思い出しながら、自分の身体を触る。
サチの声……肌の温もり……触れ方……
全てが優しかった。
「あぁ……サチぃ……」
サチがしてくれたように乳首をつまみ、サチが舐めてくれたところを指でなぞる。
「サチ……そこはダメ……」
(ダメ?そんなこと言ったらダメだよ……美樹……)
あたしの頭の中でサチが囁く。あたしの手がサチの手になり、あたしの大切なところに触れた。
(ほら、美樹……パンツの上からでも分かるくらい濡れてんじゃん……)
「だ、だって……」
(脱いじゃいなよ……)
「あぁ……恥ずかしいよぅ……」
あたしは自分で最後の1枚を脱ぎさった。
(じゃあ、触るね……)
「サチ、優しく……」
(分かってるって。)
サチの指があたしのクリを転がし始めた。優しく……優しく……
「んぅ……っく……」
あんまり大きな声を出したら親に聞こえてしまう。
あたしは枕に顔を押し付けて、声を押し殺しながら自分のクリをいじり続けた。
「あ……ぁぅ……」
(どしたの、美樹?ひょっとしてもうイっちゃうの?)
「だ……だって……」
(いいよ、美樹。あたしが見ててあげるから……)
「き……気持ちいぃんだもん……だ、ダメ……」
あたしの腰が激しく前後に揺れ動いて、それに合わせてベッドもギシギシと軋む。
「はぁ……はぁ……」
けだるい心地よさ……今は何も考えられない……
……よし、このまま何も考えられないう……ちに……眠………て…………